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ビートルズ「Golden slumbers」「Carry That Weight」「The End」のメドレー

ビートルズが活躍したのは1960年代が中心だ。
1970年4月10日、ポール・マッカートニーがビートルズを脱退することを発表し、これが一般的なビートルズの解散とされる。法的には裁判を経て、4人が解散合意書にサインし、正式な解散は1975年1月のこととなる。

私が生まれたのが1972年。
現在50歳の中年であっても、ビートルズをリアルタイムで聴いたという経験はない。1960年代に思春期以上だった人たちでないと、その経験はできない。今なら70~80歳ぐらいの人だろうか。
斉藤和義さんも自身の楽曲で「僕の見たビートルズはTVの中」という曲で、時代の移り変わりの激しさを歌っている。この曲はどちらかと言えば、現状への言い知れない不満のようなものを歌っているように感じる。

ずいぶん昔の話になるんだけど、私は1980年代、中学時代にCDでビートルズを聴いて熱狂した一人。にわかながら、ほぼ全曲を口ずさめるほどには聞きまくった。全曲の歌詞をまとめた詩集を買い、それぞれの曲を誰がつくったのかをメモして、当時に思いをはせていた。

思春期の自分をずいぶんと助けてくれたビートルズの曲をどう紹介していけばいいのか、迷ったんだけど・・・。
このnoteは「自分の好きなモノを書く」というテーマでやっているので、各アルバムから好きな曲を順番に書いてみたい。

まずは最後のアルバムと言われる「Abbey Road」(発売は「Let it be」の方が遅いものの、収録は「Abbey Road」が後)から1曲・・・。というか、3曲がワンセットのようになっているので3曲を紹介したい。

ゴールデンスランバーズ、キャリーザットウェイト、ジ・エンドと続くこの3曲のメドレーは、私にとって、ポール・マッカートニーの最高傑作と言っても過言ではない。

メンバー4人が別々の方向を向き、「The Beatles」としての存続が難しくなってきたころにポールがつくったこの3曲。

【Golden slumber】
「Once there was a way to get back homeward」

この過去形の一文で始まる。この曲。
「かつては、家に帰る道があったんだ」
つまり、「今はない」とポールが明確に歌っていることに意味がある。
ビートルズという「家」はなくなったと歌っているに等しい。

【Carry That Weight】
「Boy,you’re gonna carry that weight
Carry that weight a long time」

ビートルズそれぞれのメンバーはこれから、自分も含め、この「The Beatles」という重荷を背負っていかなければならないんだという皮肉を込めて歌っている。

【The End】
「And in the end,the love you take is equal to the love you make」

この曲は歌詞は少なめで、リンゴ・スターのドラムソロなどがあるものすごくかっこいい歌だけど、この最後の歌詞が絶品すぎる。

「結局のところ、君が受け取る愛は、君が誰かに与えた愛と同じ量なんだよ」

ポールはこの3曲メドレーを重用し、自身の日本公演でも必ず、歌ってくれた。2013年11月の東京ドームでのライブに一度だけ、参加したことがある。ビートルズのメンバーを実際に目の当たりにした唯一の瞬間だった。

このときのアンコールが
「Yesterday」
「Helter Skelter」
「Golden slumber」「Carry That Weight」「The End」
だった。

泣いたなあ。70歳を超えたポール・マッカートニーの声を生で聴けたのは、今でも自分の宝物。もう聴けないだろうなあ・・・。

とっても、とっても大好きな曲。

トラジロウ 2022年11月14日

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