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「悪いひとたち」との出会い
そのバンドを知ったのは、若い頃に行ったボーリング場。ジュークボックスから流れてくる「Baby Baby」を聞いてから。映像も同時にモニターに写し出されていて、このバンドのライブが『カッコイイ』ことは一目で分かった。
(昔のロカビリーの雰囲気だな)
特にボーカル&ギターがブライアン・セッツァーと少し被った。ギターはグレッチ。ロカビリーは少々苦手だった私だが、この曲はそれよりハードで、当時ハードロックを聞いていた私にも興味を持たせてくれた。
驚いたのは、この曲が続けて何度も何度も流されたこと。このボーリング場内に強烈なファンがいる。おかげですっかり心に残った。
そのバンドは、今ではご存じ(?)のBlanky Jet City。もう少し聞いてみたいが、当時はレンタルには置いてなく、YouTubeなどない。思い切ってその時の最新アルバム、セカンド「BANG!」を購入。期待以上にいい!尖ったキレのある演奏!でも何よりぶっ飛んだのはその歌詞!それまで日本のロックの主流(偏見かも)は「ロックだぜ」「愛してるぜ」「お前は一人じゃないぜ」…はい、はいって感じ(の印象)で、歌詞も含めて好きだったのはFLATBUCKER(ご存知かな〜)ぐらいだった。このバンドの歌詞は、私の中で革命を起こす。時に口角が下がらず、時に涙ぐむ。このバンドを今まで知らなかったことに、さらに涙ぐむ。泣き笑いの状態で聴く。
速攻でファースト「Red Guitar and the Truth」も購入。粗削りだが、期待を十分上回ってくる。その時、社会人6年目。
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ある日のこと。その日は飲み会だったが、始まりまで時間があったので、CDショップに立ち寄る。Blanky Jet Cityの新しいCDが出てないかなと棚を探る。持ってる2枚のアルバムしか置いてない。
(そうだろうな…)
あきらめかけたその刹那、横に細いCD(細すぎてタイトル表示がない)が目に留まる。手に取ると、薄っぺらい透明ケ-スに真っ白い紙と真っ白いCD。「悪いひとたち」と「Blanky Jet City」のみ印字。シングル?新作?1曲だけ?この装飾の無さは?とまどいながらも購入。そのまま飲み会へ…。
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ほろ酔いで家に帰り、CDを買ったことを思い出す。開封する。やはり一曲だけ。歌詞しか載っていない。9分を超える曲。
聴く。・・・・・酔いが醒める。胸が苦しい。圧倒。こんなことを唄うのか。もう一度聴く。もう一度圧倒。理解の範囲が広がるにつれ、全身に力が入る。血が逆流。気が抜けない。生きててよかったと涙。5回ほど聴く(実家なのでそこでやめる)。この1時間弱は、私の精神構造を変えた。
ガンガンでもゴリゴリでもない。どちらかといえばスローバラード調。雑誌「ROCKIN'ON JAPAN」がこう紹介していた。『これがロックだろ!』
この曲について、恐らく他の方がくわしく述べていると思われるので、ここでは少しだけ説明。
バンドはサードアルバム(私はこれが最高傑作だと思っている)をレコーディングする中でこの曲を作ったが、レコード会社からの要請で歌詞の一部の修正を余儀なくされ、一部歌詞を削除して録り直し、ストリングスを加えた「テイク2」をサードアルバムのラストに加え、発売した。
私が購入したシングル「悪いひとたち」は、サードアルバム発売の3か月前に、インディーズレーベルから発売された「テイク1」。
偶然だが、この「テイク1」を先に聴けたことを神に感謝した。
この曲を聴いて何も感じない人とは、関わり合いになりたくない。
(↓インディーズ「悪いひとたち」(テイク1))
余談だが、サードアルバムのタイトルは『CBJim』。
これは1曲目『PANKY BAD HIP』に登場する、フロントフォークが1番長いバイクに乗っている人物の名前で、バンド名のアナグラムでもあるが、実は人造人間の心臓の型番。ロックしてるなぁ。
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