Norah Jonesと牛タン
約1週間前に大好きなNorah Jonesのコンサートへ行ってきた。
前回の来日公演の時は、洋楽には全く興味のない夫を誘うわけにもいかないし、1人で行くほどの勇気もなかった。
けど、後々「1人でも行けばよかった。」と後悔した。
だから今回彼女の来日を知って、1人で行くつもりでいたが、夫がなぜか「一緒に行ってもいいよ。」と言ってくれた。
だけど名古屋公演がない。
これが噂に聞く名古屋飛ばしか…。
1番近い公演会場は大阪だけど、訪れたことの無い仙台へ旅行を兼ねて行くことになった。
当日、開演時間になってステージに現れたのはギターを持った知らない男性。
軽い自己紹介の後、ギター一本で彼が歌い始めた。
何語かも分からない歌詞でジャズともボサノバとも言えないけどぼーっと聞くには心地の良いメロディと歌声。
数曲で終わるのかな と思っていたら結局10曲近く歌っていた。
誰のコンサートにきたんだったっけ?
彼の演奏が終わって15分の休憩後、やっとNorah Jones本人の登場。
彼女の第一声でもう涙が出ていた。
前座で歌っていた人とは比べ物にならない声質とバックのサウンド。
スモーキーボイスといわれる彼女独特のくぐもったような優しい声、だけど力強さもあって…耳馴染みの良いメロディにも酔いしれる。
もう涙が止まらない。
身体中が何かに満たされて行くような感覚。
例えるなら袋から出されてパサパサになってしまったカステラが、気付いたらフォンダンショコラになっていたぐらい、何か濃厚なもので自分が満たされていく。
自分にはまだこんなに心動かされるものがあるんだなぁと思うと嬉しかった。
思い返せばコロナの影響で旅行へ行けなくなってから いろいろな楽しみが奪われ、やさぐれたくなる事も多かった。
自分だけがそんな思いをしている訳ではないと分かっていても、知らないうちに心がスカスカになっていたのかも。
そんなところへNorah Jonesの歌声が染み込む染み込む…。
時間が経つのもあっという間だった。
音楽に酔いしれることに全神経を集中していて夫を気遣うこともしなかったが、彼もそれなりに楽しめたようだった。
興奮冷めやらぬ状態で夕飯を食べに行く。
気分的にはワインを飲みながらコンサートの余韻に浸りたいところだったけど、付き合ってくれた夫のリクエストで牛タンを食べに行くことに。
Norah Jonesの音楽で身体中が満たされていたはずなのに、生ビールと牛タンがさらに私を満たしてくれた。
一週間経った今思い出しても幸せな気分がよみがえる、最高な夜だった。