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とらぶた自習室(1)勉強メモ 野口良平『幕末的思考』第1部「外圧」第1章
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筆:栗林佐知(けいこう舎)
■2023年1月10日読
野口良平『幕末的思想』第1部「外圧」
第一章「背景史──最初のミッシングリンク」
開国思想というのは、「弱いやつが徳義なんか主張してもダメ、西洋に負けない文明を身につけ、軍事国家にならなきゃ」 ってことじゃないのね。
同じく開国思想家といわれる 渡辺崋山・高野長英(蛮社の獄で没。ペリー来航は見ず)と 佐久間象山の違いに、幕末がよき近代化を生み出せたかもしれない、大きな可能性のカギが……。
崋山・長英の思想は、一個人を主体にした肌理の細かいもの。
なぜ「鎖国の平和」から「開国」を選ぶか、思索の過程が見える。
かたや、佐久間象山の考えは 「力がすべて。やつらの技術を吸収して強くならねば」というもの。
崋山・長英と佐久間象山の隙間にあるのは、
「弱肉強食の状況のなかで、強者に対する弱者の抵抗とはいかなるものでありうるか」という問い。
《崋山や長英の存在は、爬虫類と鳥類の対照が「始祖鳥」を想定させるものにも似て、それなしには転換が存在しえないはずの思考領域の存在を示唆しているのである》
野口良平『幕末的思考』第1部第1章 p19
味わい深い文章を、私は勝手に単純化してしまってますね。違っちゃってると思いますが
………読書は伝言ゲーム(?)
■はやくも、てんこ盛りの内容
そのほか、あのカントが、著書の中で日本の鎖国に言及してるとか、 攘夷のバイブルみたいな本を書いた37年後に、西欧が蒙古襲来とは違うと開国の書を書いた水戸藩士、会沢正志斎とか、 アヘン戦争の全貌を伝える『鴉片始末』の斎藤竹堂とか、へー! と、知らなかった人物がてんこもり(わずか1部1章で)に紹介されます。
ううむ、これ、 斎藤竹堂、会沢正志斎、渡辺崋山、高野長英、佐久間象山と、一人ずつ、伝記と時代における思想の位置づけと、高校生くらいでも読める列伝にしたら面白そう~
→ その野望は現在、けいこう舎マガジン連載、野口良平さま「幕末人物列伝」になって実現しています!!
→ とらぶた自習室(2)勉強メモ 野口良平『幕末的思考』第1部 第2章
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