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とらぶた自習室(0) 勉強メモ 野口良平『幕末的思考』みすず書房 を読み始める

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筆:栗林佐知(けいこう舎)

■2022年12月17(土) 野口良平『幕末的思考』を読み始める。

野口良平『幕末的思考』みすず書房、という本を、ちょっとずつ読み始める。

どういう本かというと、(ちがうかもだけど)

黒船に乗って列強さんがやってきた。 植民地にされるかもしれない!
攘夷? 開国? どんな社会にすればいい? 

この島国では上も下も、西欧や中華からの輸入でない理想を模索した。

いろんな可能性があった幕末が、なぜ明治をになるや、天皇陛下バンザイの軍国主義になってしまったのか。 その答えを模索する思考の記録。

■幕末-明治の本は多いけど こういうことをちゃんと考えた本は、なかなかない。


著者は、この本を書かれるにあたり、このようにおっしゃっています。

《幕末に関する研究はそれこそ汗牛充棟ですし、小説や映画やテレビドラマになりはしていますが、自分と同じ問題にぶつかってそこでいろいろ考えて、今の自分の状況と幕末のつながりとつながりのなさと、その両方をちゃんと考えていく、というアプローチは、なかなかめぐりあえない。ですので、自分としてはけものみちを行くような状況で、手探りで考えざるをえなかった。でも何とか、けものみちを歩き通せて、大体四年ほど執筆にかかっていますけど、》
『最初の一滴 思想の科学研究会年報 第二号』「野口良平「幕末的思考」を語る」p34上段

■幕末の可能性は、明治でブツッと切れてる


《幕末と明治のあいだの不連続性、間隙を、生物の進化に関する言葉に借りて、この本では「ミッシングリンク(失われた環)」と呼んでいる。》
野口良平『幕末的思考』「はじめに」p2

おぼろげにいつもあった自分の疑問を思う。
「日本の夜明けは我々が作る!」
みたいな青空をしょった若者たちを描く幕末ドラマはわくわくするのに、明治時代を舞台にすると、急になんとも暗く、つまんなくなる。青ざめた感じになる。どうしてなのか。

■軍事大国化しないですんだ方法は?


それから、列強の植民地にされたら困るから、人権思想だけは西洋から取り入れた法治国家を作らなきゃいけないけど、軍隊を持たないでそれは可能だったかということ。

私は30代の時、職場で「ひきこもりは自衛隊に入れろ」と言った精神科医に噛みついて口げんかになり、「軍隊がなければ国民は守れない」などと言い出す相手につられて「軍隊必要・不必要論」の喧嘩になってしまったことがあった。
そのとき説得力のある考えを言えなかったから、答えがほしい。

日本が列強に負けないで、かつ軍事大国化しないで(もちろん朝鮮や中国に多大なご迷惑もかけないで)いられる道は、あったのか。あったと思いたいけど、どうしたらよかったのか。

つまり、世界中から軍隊がなくなることは「こうすればできる」という答えがほしい。

あまりちゃんと勉強していないので、言えないのだけど、そういう疑問や課題に答えてくれそうな本にはなかなか出会わない。
なので、この本に期待してる。(期待されても困るかも、ですが)
ナメクジのように進んでいきます。

→ とらぶた自習室(1)勉強メモ 野口良平『幕末的思考』第1部 第1章


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