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初めて出会う幸せのかたち。

あなたから電話が来た。
今日は着信音を聞くことはないと思っていた。
あなたの声はいつもと変わらない。
楽しくもないけど、つまらないわけでもない。
そんな声。

なんで電話してきたの?って、すぐにでも聞きたいけれどぐっと堪える。
今、この瞬間に声を聞けていることがただ嬉しいから。
尋ねてしまうと、その時間が終わってしまうかもしれないから。

取り止めのない話をする。
楽しかったことの話をする。
突然あなたがポツリと口にする。

「ちょっと気が重くなることがあった。」
「気持ちが晴れないから、キミに電話した。」

一瞬、思考が停止する。
そこから急発進のフルスロットル。
なんだよ、幸せってこんなカタチで顕れることもあるなんて聞いてないよ。
教わってないから、不意に湧いた「嬉しい」をどうこねくり回したらいいのかわからないよ。

いつも涼しい顔しか見せてくれないのに、急に弱さを出してくるなんて、愛しくてたまらなくなるじゃないか。
まいったなぁ。

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