一人舞台
暮れのおせち準備は、夫の一人
舞台だ。自分だけで計画し、黒
豆用のさびた釘をみつけだし、
なます用のゆずや木の実を用意
する。こんにゃくをいれたお煮
しめは、私も作りたいのだが、
舞台になった台所には、私のは
いる余地はない。基本的には有
難うと感謝している。が私の心
の底には、一緒にやりたいの切
ない願望が出口を求めている。
やることのない私が、山の立ち
寄り温泉で、ゆったり過ごして
帰宅すれば、料理は出来上がっ
ている。後は好きなお酒と一緒
に食すだけ。嬉しいが寂しい。
今年は夫の領分に侵入しない一
品作ると、強く決意している。
思いつくのは蒟蒻しかない。