美容室のサブスクリプションというズレ
今日はちょっと辛口に書きます。
少し前から疑問に思っていたことです。
サブスクリプションって色々な業界で流行っていますよね。
世間一般では「定額料金を支払うことで、一定期間のサービスが受けられることを保証するサービス」を意味しているらしく、飲食店、マッサージ店、美容室までもがサブスクリプションを、通い放題、使い放題のビジネスを展開しています。
「定額制」をキャッチーな「サブスクリプション」という言葉で、メニュー化しています。
そこに違和感があるので、ちょっと記事にしたいと思います。
そもそも、サブスクリプションはIT業界から派生しているかと思いますが、今世間で広まっている定額制という意味合いとは認識が異なります。
結論から言うと、サブスクリプションは「定額制」なのではなく、永続的に最新のバージョン&セキュリティでサービスを提供する仕組みです。
サブスクリプション登場以前、IT業界では、永続ライセンスの買切りソフトウェアが主流でした。
買切りのソフトウェアは購入後に不具合が発見された場合、すぐに改善ができなかったり、バージョンアップの際に買い直しが必要になっていました。
マイクロソフトのOfficeシリーズが良い例なのですが、Officeも永続ライセンスを販売していた時期は、様々なバージョンが販売されていました。
都度、機能や脆弱性を改善した買切り製品を販売していましたが、バージョンによって当たり外れがあったりで一度販売してしまうと、その後のリカバリーができませんでした。
そこで登場したので、現在主流のOffice365ですね。
月額のクラウドベースでOfficeを提供することにより、常に最新のバージョン、最新のセキュリティ状態でサービスを提供できるんです。
クラウド上での運営なので、不具合があれば即座に改善して、サービスを提供できるので、提供者も利用者も非常に便利な仕組みになっています。
提供者も顧客の利用状況のデータをリアルタイムで蓄積でき、サービス向上に役立てることができます。
本来のサブスクリプションは改善を繰り返し、常に最新の状態でサービスを提供する仕組みです。
「〜円払えば通い放題」というのは、そんなサブスクリプションとは無縁のただの「定額制」でしかありません。
もし美容室で「サブスクリプションメニュー」と打ち出しているお店があったら、もしかしたらメーカー、代理店が「サブスクリプションメニューをやりませんか」と提案しているのかもしれません。
多分提案した営業も、サブスクリプションの意味をあまり理解していないと思います。
マスコミもキャッチーな言葉の方が視聴者の関心を引くため、「定額制サービス」を「サブスクリプション」と置き換え、ニュース番組などで報道しています。
もし、サービス、飲食、美容室で「サブスクリプションメニュー」を提供するのであれば、常にサービスの進化を提供する、つまり来店するたびに新しいサービスやメニューの提供ができる状態が理想なのですが、サービス業界では相性が悪い言葉だと思います。
美容業界に在籍していたころから、「世間一般との感覚のズレ」は、結構感じていて、美容業界の当たり前は、世間一般では当たり前でなかったり、その逆も然り。
※サブスクに関しては、美容業界だけじゃないんですが
業界から離れた今はより一層感じることが多々あるので、これからも今いる立ち位置から、美容業界、IT業界について書いていきます。