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「切り絵で世界旅」トレドの天幕(トレド/スペイン)直射日光を遮る天幕。柔らかくて粋ではないか

 「スペインに一日しかいないならトレドへ」の言葉を信じて、マドリッドから古代ローマ時代から栄えたトレドをめざすことにした。
 バスが1時間ほど走ると、三方をタホ川に囲まれた小高い丘の上にトレドの街がみえた。想像以上に煉瓦の色が明るい黄土色で、街全体が輝いていた。街中に入ると城壁に囲まれた街は、狭い石畳の路地が入り組み、まるで迷路のようだ。中世時代に建てられたイスラム教、ユダヤ教、キリスト教の歴史的建造物が佇んでいる。

 ふと見上げると、天幕が張られている。当日(5月7日)の気温は32℃。暑いが、乾燥しているので、日陰にはいると暑さも少し和らぐ。天幕は直射日光を避けるためのものなのだろう。狭い通りの両サイドの建物からロープで吊られている。これなら天候によって天幕を張ることも畳むことも簡単だ。それに見た目にも柔らかな感じを与える。素晴らしいアイデアではないか。

 帰国後、この天幕について調べてみると、どうやら近く行われる聖体祭のために張られたもので、この下を聖体顕示台が通るらしい。だが個人的には、祭りとは関係なく、年中、陽光を遮りたいときはこの天幕を張ることをお勧めしたい。

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