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「切り絵で世界旅」水上住居(ハロン湾/ベトナム)水上生活者たちの生活に触れる

 ハノイに来たからには、足を伸ばしてハロン湾クルーズを楽しまなければ損、と考えて、ハロン湾へ。
 湾岸に立って見渡せば、海から突き出る奇岩が数えきれないほど点在する。その数は1500以上あり、全部見ようと思ったら3日かかるそうで、”海の桂林”とも言われている。こちらは日帰りツアーなので、船で食事をしながら適当に風景を楽しめばいい。

住居の手前にある生簀でエビやカニを養殖


 船からは奇岩だけでなく、水上住居もいくつか見受けられる。テレビで見たことはあるが、実際にまじかに見るのは初めてだ。一体、何世帯が住んでいるのだろうか。中には小学校もあるそうだ。水上住居の一つに船から降りてみる。中央はいけすになっていて、カニ、エビなどが養殖されている。一角には生活するための住居も建っている。
 『青いパパイヤの香り』などで知られるトラン・アン・ユン監督の『夏至』では、ハノイに妻がいるカメラマンがときどきハロン湾に撮影に行く。実は水上生活をおくる別の妻子とひと時を過ごすためだ。ハロン湾の美しい景色と、屈折したカメラマンの表情が好対照に映っていた。


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