「切り絵で世界旅」洞窟住居(カッパドキア/トルコ)洞窟住まいの家庭を訪問
トルコのアナトリア高原中央部、南北約50kmにわたって見どころが点在するカッパドキアは、トルコ屈指の観光スポット。世界に類を見ない奇岩群は、火山の噴火により堆積した凝灰岩や溶岩層が長い年月をかけて浸食されてできたものだ。凝灰岩は柔らかく加工しやすいので、紀元前3000年頃から人びとは不思議な形をした岩をくり抜いて洞窟住居として利用してきた。
現地ガイド氏が、「私の知り合いの洞窟住居がありますので、そこを訪れましょう」と娘2人と中学生の息子を持つ家庭を案内してくれた。
円錐形の岩をくり抜いたもので、階段を上がり3階に当たるフロアに入る。台所を過ぎて通された居間の中は少し背を屈めないと頭を打ちそうな低さである。電球がついていたが、小さい窓から陽光が差し、かなり明るい。床に敷かれた絨毯の上にはソファと小さいなテーブルが置かれ、テレビもあった。絨毯はお母さんが編むそうで、織り機もあった。床は傾斜がついているため、座っていても少し体が傾いてしまう。
すべての洞窟住居が世界遺産のエリア内にあるので、不便だからといって勝手に改造することはできない。昔は電気、水道もなく、かなり不便な生活を強いられたようだ。今は洞窟から出てマンションに住むが人が増え、洞窟はホテルやペンションに変りつつある。洞窟を売ればかなりの金額になるらしい。そういえば洞窟ホテルに宿泊するプランもあった。次回はそちらにしようか。