馬の呼吸

先日、トップスが熱を出し、とても呼吸が荒くなっていました。
健康管理に大事な馬の呼吸。
今回は、その馬の呼吸について、調べてみました。


馬の呼吸数(呼吸速度)

安静時:1分間に約8~16回
馬がリラックスしているときの通常の呼吸数です。

運動時:運動の強度に応じて大幅に増加し、1分間に60回以上になることもあります。
特に激しい運動(例:競技中や全力疾走時)では心拍数とともに呼吸数も急上昇します。

呼吸の仕方と特徴

呼吸の仕組み

鼻呼吸のみ:馬は解剖学的に口で呼吸することができません。
鼻は呼吸をする器官、口は食べる器官と分けられています。

仕組み:馬の胸郭(肋骨)と横隔膜が連動して呼吸を助けます。
吸気:肋骨が外に広がり、肺に空気を吸い込む。
呼気:肋骨が元の位置に戻り、肺から空気を押し出す。

歩調との同期

馬は走っていないときは、人間と同様の呼吸法をしていますが、ギャロップのような高速で走る場合に、その体の構造を活かし、より効率的な一完歩一呼吸というリズムの呼吸法をとります。(一完歩一呼吸の説明は長くなりそうなので、また、記事を書こうと思っています)

呼吸の計測の方法

 1:馬を落ち着かせて静止させます
馬が落ち着いた状態で計測を行えるよう、リラックスできる環境を整えます。

 2:呼吸の動きを観察する
呼吸数を測定するには、馬の呼吸の目に見える動きを観察します
鼻孔:吸気と呼気で鼻孔が膨らんだり縮んだりする動き。
腹部または胸部:呼吸時に上下する動き。

3:時間を計測する
ストップウォッチまたは時計を用意し、30秒間に馬が呼吸する回数を数えます。
吸気と呼気をセットで「1回」と数えます。
30秒間に数えた回数を2倍して、1分間の呼吸数を計算します。


呼吸数が上がる原因

健康な状態で呼吸数が上がる原因

  • 運動
    運動中や運動直後はエネルギー需要が増加するため、酸素供給を増やすために呼吸数が上がります。

    • 例:速歩、駈歩、ギャロップ中

    • 呼吸数:1分間に40~100回以上になることも。

  • 気温の上昇(暑熱環境)
    暑い天候では体温を下げるために呼吸が早くなります。特に湿度が高い環境では体温調節が難しくなり、呼吸数がさらに増加します。

  • 興奮やストレス
    新しい環境、他の馬との接触、競技会場などでの興奮や不安が原因で呼吸数が上がることがあります。

健康上の問題を示す可能性がある原因

呼吸器系の問題

  • 肺炎や気管支炎
    呼吸器の感染症は呼吸が速くなる主な原因の一つです。咳や鼻水、発熱を伴うことがあります。

  • 喘鳴症
    喉頭部の異常による呼吸困難が原因で、特に運動中に呼吸が苦しくなり、音を立てる場合があります。

  • 肺出血
    激しい運動中、肺内の血管が破れて出血することがあり、これにより呼吸数が増加する場合があります。

 循環器系の問題

  • 貧血や心疾患
    酸素を運ぶ能力が低下した場合、体が補償しようとして呼吸数が増加します。

 痛みや怪我

  • 急性の痛み
    腹痛(疝痛)や外傷による強い痛みが呼吸数を上昇させます。

 中毒や代謝異常

  • 中毒症状
    例えば、腐敗した飼料や有毒植物を摂取した場合、呼吸が早くなることがあります。

  • 酸塩基平衡の乱れ
    運動過多や疾病による代謝の乱れが原因で、呼吸が増加することがあります。

 その他の要因

  • アレルギー
    ほこりやカビ、花粉などのアレルゲンによる呼吸器の炎症が原因で呼吸数が増加することがあります。

  • 肺気腫(COPD: 慢性閉塞性肺疾患)
    呼吸が浅く、速くなる慢性的な呼吸器疾患です。

判断基準と注意事項

呼吸数は馬の状態に大きく影響されます。
運動直後や緊張している場合は数値が上がります。
運動や環境変化に伴う呼吸数の一時的な上昇なら通常問題ありません

次のような場合は注意が必要です

  • 安静時でも呼吸数が20回/分以上である。

  • 呼吸が速く、苦しそうに見える。(元気が無い)

  • 鼻孔の過度な広がりや異常な鼻水が見られる。

  • 呼吸数が常に基準値(8~16回/分)を超えている。

これらのサインがある場合は、獣医師に相談することを強くおすすめします。

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