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セット数と筋肥大の関係【1回3セットで筋肥大しない理由】
トッポです!
本日はセット数と筋肥大の関係ということで、
1回3セットでは筋肥大が起こらない理由と
正しいセットの組み方について、
最新論文を持ちながら徹底解説して行きます。
筋トレ経験値によってセット数組み方が
変わっていきますので
筋トレを始めて1年未満の方、
そして1年以上行っている上級者の方も
ぜひ最後までご覧ください。
最後まで読むのが大変な方は、
最後にまとめがありますので一気に
スクロールしちゃってください(笑)
ではまずは筋トレ科学の歴史を振り返りながら、
筋トレ経験値0から2年までの方の
正しいセット数を解説して行きます。
歴史を振り返ることによって、
じゃあ何セットはどうなのみたいな
疑問が解決して行きますのでお付き合いください。
もともと筋力トレーニングセット数の
組み方については、2010年頃まで
バラバラな報告が多く
初めて論文として提言されたのが
1998年にアメリカスポーツ医学会から
発表された論文です。
筋肥大を引き起こすためのトレーニングとして
高強度で1セットを行なうのを推奨していまして
裏付けとなる科学的なデータがない
にもかかわらず、
筋力トレーニング推奨セット数は
1セットというのが制定されていました。
これ以降も2003年に発表された
ノルウェースポーツ大学の研究では
筋肥大には2から3セットが
適量であるという報告など、
だいたい2010年頃までは、とにかく
バラバラな報告が数多くありました。
そして来る2010年にアメリカから
発表されたメタ分析によって、
ある一つの結論というのが導き出されました。
筋肥大のためのセット数の組み方について、
1960年から2009年までに行われた
8つの研究を分析し、
1日1セットのみのトレーニング
2から3セットのトレーニング
4から6セットのトレーニング
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で最も筋肥大の有効なセット数はどれなのか?
の検討がおこなわれ。結果としては、
まず大前提として1セットと
複数のセットを比較すると、
複数セットの方が優位に
筋肥大を進めるという結果でした。
つまり、1998年にアメリカスポーツ医学会
から継承された
1日1セットのトレーニングというのは
完全否定されたというわけです。
そして2から3セットのグループと
4から6セットのグループはどうかといいますと
統計学上は有意差はなしという結果で、
1日のセット数を2から3セットにしようが
4から6セットにしようか、
筋肥大率には差が生まれないという
結論が出ています。
ただし、この研究で扱われたデータというのは、
被験者数が少なく、
対象者の経験値やトレーニングの頻度
については言及されておらず、
2から3セットのグループ4から6セットの
グループ間の比較というのがものすごく曖昧な
分析方法だということが奇跡されているんです。
つまり、この2010年の段階で
明らかになっていることとしては、
1日、1セットだけのトレーニングというのは、
筋肉に与える刺激としては不十分だということです。
これは誰しもが体で
理解していることだと思いますので
驚きもなく当然の感じかと思いますが、
今から12年前の2010年にようやく、
この事実にたどり着いたという
感じになっています。
時は流れ、2017年には先ほどの問題点である
対象者の経験値やトレーニング頻度を修正した
メタ分析というのが西スコットランド大学から発表されました。
1987年から2016年までに報告があった
6962軒の観察研究のうち、
4週間以上の追跡調査が行われている研究
また、トレーニング経験値の記載の有無。
トレーニング内容が判別可能な9つの研究を中止し、
1日ではなく週のセット数でどの程度のセット数を
こなすことが最も筋肥大を引き起こしやすいのか
の分析が行われました。
対象となったセット数としては、
1週間に5セット未満のグループと
5~9セットのグループ10セット以上の
3グループに分けて調査が行われ、
結果としては全体を通した結果で言うと、
筋肥大率はトレーニング経験のレベルや
内容には関係無く
セット数をこなせばこなすほど
上昇すると言った結果でした。
ただし、もっとも筋肥大率の伸びがいい
トレーニング効率がいい週のセット数
というのがありまして、
それがトレーニング経験0~1年未満の
初心者の方では、
1日のセット数が2~3セットであり
週の頻度としては2から3回
つまりだいたい週に10セットトレーニングを
行うことが最も筋肥大効率がいい週のセット数になります。
また、筋トレ経験値1~2年の上級者の方では
1日のセット数は3~4セット。
週の頻度としては3回以上ということで
だいたい週に12セット以上
トレーニングを行うことが
筋肥大率を最適化する為のセット数になります。
アメリカスポーツ医学会からのデータでは
筋トレ初級というのが筋トレ経験値6か月未満
中級が6か月以上筋トレをしている方。
上級が筋トレを1年以上経験している方という
分類分けがされていますので
自分の筋トレ経験値がわからないという方は、
是非参考にしてみてください。
まだ筋肥大を目的にしている場合のセット数
というのは、
1つの筋肉に対しての話ですので、
例えば大胸筋と上腕二頭筋を
でかくしたいという方は
それぞれ最低でも10セット以上は
トレーニングをする必要があるというわけです。
ただし、ここまでの研究でも一つの問題点があり
それがトレーニング経験が
長い筋トレ上級者に関しての曖昧な分析です。
特に週の頻度に関しての分析というのが甘く
1日のセット数が3~4セットで週の
頻度が3回以上というデータはかなり曖昧であり、
大雑把な分析になっているんです。
つまり2017年時点で明らかに
なっていることとしては
1日のセット数は複数セットを行う方が筋肥大率
が高くなることは確実で、
筋トレの経験値が1年未満の初級中級者の方は、
週のセット数の合計を10セットに組むことによって
もっとも効率よく筋肉を肥大させることが
できるというわけなんです。
そして翌年、2018年にバーミンガム大学から
トレーニングセット数の
用量反応関係についての研究が行われました。
筋トレ上級者に関しても、
どの程度のセット数を組み立てることが
最も効率よく筋肥大率を引き起こせるのかの
結論というのが導き出されました。
用量反応関係というのはどのくらいの
セット数が最も筋肥大率の感度、
つまり効率がいいのかを調査したというわけです。
先ほども言いましたが、
筋力トレーニングというのは
確かにやればやるほど筋肥大率が向上します。
ただし、やりすぎによって関節を痛めたり
不快感が強くなったりと
無限にやれるものではありませんので、
筋トレ上級者を対象にして最も効率がいい
週のセット数
の調査というのが行われたというわけです。
研究の方法としては至って単純で、
1週間に9セットトレーニングを組むAグループ
1週間に18セットトレーニングを行うBグループ
1週間に27セットを行うCグループに分けて
上腕二頭筋のトレーニングによって、筋肥大率に
どんな違いが生まれるのかの調査が行われました。
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結果としては、
どのグループも上腕二頭筋の筋肥大が
確認されました。
ただし、9セット、27セットのグループというのは
18セットのグループと比較し、筋量の伸び率が
鈍化していたということで、
筋トレ上級者に関しては1週間のセット数を
大体20セットにすることによって、
最も効率よく筋肥大できるというのが
結論になります。
ここまでの話をまとめると、
筋トレ歴1年未満の初級中級者の方は
1周間の総セット数を10セットに
設定することによって、もっとも効率よく筋肥大率を高めることができます。
そして筋トレ歴1年から2年ほどの上級者の方は
1週間の総セット数を20セット程度に設定することで、最速最短で筋肥大できるということです。
ここまでが2018の研究で
エビデンスレベルが高いセット数の
組み方になります。
それでは最後は
筋トレ歴3年以上の方の推奨セット数を
最新研究を持ちながら徹底解説して行きます。
2020年にメソジスト大学の
筋トレ歴三年から四年の感染27名を対象にして
もっとも筋肥大が起こりやすいセット数の
組み方について調査が行われました。
筋トレ歴3年から4年の超ベテランに
とって最適なセット数はどのくらいなのかを
調査したというわけです。
調査の方法は至って単純で、
被験者をまず3つのグループに分けます。
週のセット数を16セットに設定したAグループ
24セットに設定したBグループ
32セットに設定したCグループ
でどのグループもレップ数を8から12RMの強度に設定し、8週間後の違いを分析したという研究です。
超音波を使用し筋肉の厚みの変化、
また筋力の変化の評価というのも
行われたんですが
結果としては、
筋力増強筋肥大率共に3のグループで
優位に増加しており
セット数が増えれば増えるほど
増加レベルが高かったということで
特に上腕二頭筋、上腕三頭筋、大腿四頭筋などの
大きな筋肉はセット数の筋肉の成長にかなり
強い相関があったという結果でした。
筋トレ歴2年ほどの方というのは、
セット数を増やして行けば、
確かにそれに伴って筋肉を大きくなっていきますが
20セット以上では伸び率が鈍化するのに対し
筋トレ歴3年以上の経験値を持つ方というのは
セット数を増やせば増やすほど筋肥大率は
上昇して行くというわけです。
週に32セットというと、
ハードで時間がかかるトレーニングになりますが
筋トレ歴3年以上の方は
1つの部位のセット数を増やすことによって
筋肥大率というのは伸びていきますので、
ぜひ参考にしてみてください。
ただし、この研究もそうですが
筋トレ上級者に対するハードなセット数
という研究は現状ではすべて観察研究になります。
現時点では明確な回答というのは出ていませんので
1つの治験として試していただけたらと思います。
ちなみに筋肥大率に関してはセット数
を増やすことによって
筋肥大率の上昇に大きく管理しますが
筋力に関しては筋肥大と比べるとセット数の感度は
それほど高くないことが、
2017年の西スコットランド大学のメタ分析
で明らかになっていますので
筋力を強くしたいっていう方は、
セット数を増やすよりも強度を上げることを
考えていただけたらと思います。
まとめると、
🟩筋トレ1年未満の方は
週のセット数を10セットに設定し
🟦1年から2年ほどの方は、
週のセット数を20セットに設定することによってもっとも効率よく筋肥大を狙うことができます。
🟥筋トレ歴3年以上のベテランの方は、
これよりも多くセット数を設定することで、
鈍化した筋肥大率を改善する可能性があります。
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正しい科学的なセット数の組み方で、
効率的に筋肉をでかく強くして行きましょう!