まつながこうすけ

27才、本は友達。

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27才、本は友達。

最近の記事

28

Mさんのことが好きだった。 気が付けば自分も27才で、明日には28才になる。 Mさんは同級生だから同じくらいの年。 彼女が今どこにいるのか分からない。 2年ほど前に音信不通になって以来、彼女が元気なのかも分からぬ。 幸せでいてほしいとか思わない。好きだから。 自分が彼女を幸せにできる人間だったらと思う。もう遅い。 失恋。 Mさんが好きだった。今も好き。 もう一生会えないだろう。 彼女はおれに会いたくないだろう。 おれは会いたい。 もう遅いな。 本当に欲しいもの

    • 芋屋

      寝ていると、芋屋の声がした。 それが本当に芋屋だと分かると、 ゆっくり階段を下りた。車は止まっていた。 あわてていると、大丈夫ですかと声がした。 お金貸しましょうか、と女性が笑った。 彼女はよく、芋を買いに来ると言った。 「どこにでも買いに行きます。芋が好きだから」 芋を二つ買うと、彼女は小さくお辞儀をしていった。 また今度、と彼女に手を振った。 アパートへの道すがら振り向くと、 まだ芋屋の車が止まっていた。 部屋に帰り眠った。夢を見た。 自分は子どもで、海辺を踊

      • 飽きたのだ何かに

        飽きた。まじで飽きたと思う。が、何に飽きたのかよく分からない。 そういうことって皆さんはあるのでしょうか?僕は最近、理由もなく「飽きたなあー」と思っています。例えば、オードリーの若林さんが「仕事に飽きたと言ってしまうと信頼関係のあるスタッフたちに申し訳ない」という風なことをNetflix「ライトハウス」でおっしゃっていた。それでも「飽きたのよ」と公に言える若林さんは稀有なお人だと思う。(いつかお会いしたいなあ、なんて夢だよね)僕は今、無職で失業給付をもらっている身なので、そも

        • 前進している感覚がない。小さなヨットでふらふらしている巨大な海を前にただぼう然とする。誰かの足跡ばかり見てはおどろき、自分の凡人さを嘆く。そんな時間はムダというものだ。モヤモヤする。人間関係も進路も全部モヤモヤしないことなんてない。変なAVを見たりする。そんな自分の人生は終わってる。汚れているのか、こじらせているのか。性をこじらせるとロクなことにならない。27年生きてきてコレだ、やれやれと言うほかない。やれやれ。27才はちっとも楽しくない。星野源さんは『灯台』という歌の中で、

          さくらふる

           ちはやふる、というと「ちはや」なる花が降る様子を想像してしまう。 散歩中、桜がひらひら散っているのを見て、「さくらちる」より「さくらふる」が縁起のいい感じだと思う。無職の自分を日が照らし、ライフガードをおともに近隣をぶらぶら。人に会うことが少しおっくうでも日を浴びることが大事な気がした。セロトニンが出て幸福感が上がるんだっけ。ミシェル・ウェルベックの小説もセロトニンだったな。そろそろと子供たちが下校している。無職は下校しない。ただ遠回りして家に帰る。無職になって1ヶ月が経っ

          いとモテたい

           光源氏のモテっぷりは紫式部の筆に余るほどで、わんさか恋文を詠み逢瀬を重ねるだけで10巻が費やされたこの男は、ひがむ対象としてはいささかスケールが大きい。モテたいがゆえ外見や内面、就活に精を出すわけでもなくただ、光源氏のモテっぷりにあやかれないものかと心の底では思いながら源氏物語を読んでいる。情けない。本当に。また、自分がいかに異端な存在であるか、などと主張してみてもnoteの海を漂うだけで、別にモテたりしない。それにモテたいよお!とここで叫んでいても同情されるのがオチで、か

          病んだままいく(または27才のリアルについて)

          コンビニのベンチに座りタバコを吸う。みんな一本しか吸わない。俺以外、誰も1本以上吸わない。俺に気を使っているのかもしれない。だとしたら申し訳ない。あるいは、ずっとベンチの端でヤニ摂取してる俺を見て、タバコ吸いてえなあ、と思ったのであろうか。よく分からない。 「しにたい」と思わない日がない。ライフガードを1日2,3本飲む。 コンビニで一箱吸ってから家に帰る。昨日も今日もなぜか泣いていた。 怒っていもいた。夜道に叫びそうになったし、持ってた傘を投げ捨てたくなった。混乱している。

          病んだままいく(または27才のリアルについて)

          8年間ありがとう、沖縄

           高校3年生の進路は、ただ「北海道か沖縄に行きたい」だった。 住み慣れた地元を離れたくて「地元からなるべく遠くに行きたい」とも言ったらしい。父はその言葉を忘れていなかったようで、言われた側は意外と覚えているもんなのだなと思った。 27才で沖縄を離れるため、この8年で人生の3分の1くらいを過ごしたことになる。次の住所は地元だから、 地元→沖縄(大学入学~27才)→地元 であり、この規則性は何なのだろうと思う。 正確には大学を休学して1年地元にいたので、 地元→沖縄(大学入学~大

          8年間ありがとう、沖縄

          飲み会でコークハイを飲みながら考えたことら

           こんにちは。「耳をすませば」を観てコークハイに憧れを抱いた者です。 まつながこうすけと申します。昨日は飲み会だったのですが酔いがさめて一人反省会をしていたところです。「あの時なんで失礼なことを言っちまったんだろう??謝った方がいいかな」と思うのはあるあるなのか。「大人ぶってるわ」とあんまり話したことない人に絡みうざがられるという体験をし、自分の性格の悪さが出たと思いまして。ごめんなさい。きっとコークハイのせいじゃない。 飲み会が苦痛でiPhoneのメモアプリに一生「帰りたい

          飲み会でコークハイを飲みながら考えたことら

          anoparaさんのブログを読んでたら実名で何か書きたくなった男

          こんばんは。たぶんぼくのことを知っている人は、このnote上に皆無かもしれないが、まだまだ何かを書き続けています。まつながこうすけと申します。 さっきまで、ルイボス茶をストローで飲みながらanoparaさんの個人ブログを読んでおりました。 やっぱり面白かった。anoparaさんのブログは、社会人1年目で仕事中暇すぎてコソコソ拝読し、海外ドラマ「Mr.Robot」の技術的な側面を紹介する記事があり、ラズベリーパイでラミマレックが工場に爆弾仕掛けるシーンの技術的な解説をしておら

          anoparaさんのブログを読んでたら実名で何か書きたくなった男

          Mさん

          Mさんのことを考えると、つらくて、悲しくて、 しんどい気持ちになる。 でも、同時に励まされ、奮起することもある。 彼女を傷つけた事実を反省して、 もう二度と繰り返さない人間になると思い直す。 そんなことにはもしかしたら意味などないのかもしれないけど。 彼女はどこかで幸せに生きて、30歳くらいで結婚するのかもしれないな、と思う。彼女が他の人と結婚するのを想像すると、ただただ悲しい。 でも、仕方ないことなのだ。 人の心を傷つけた人間に、そうそうチャンスなどやってこないだろう

          鹿児島の白黒ネコ

          沖縄から鹿児島へ帰省して真っ先にでっかい桜島を見た。 故郷に帰ってきたって感じがあっていい。 祖父母はもふもふのパジャマを着て、この土地の寒さをしのいでいる。 ばあちゃんはおしゃれなニット帽をプレゼントされて、にこにこしていて 90歳を超えているじいちゃんはカレーを一皿ぺろりと食べた。 兄貴は新婚旅行で京都を散策しているようだ。ほほえましい。 姉上とは昨日、ともに天文館のお菓子コーナーをふらふらした。 髪をバッサリ切っていて、似合っていて何だかびっくりして 似合っているとは言

          失意の中で(メリークリスマス)

           8年間、好きな人といつか一緒になることが希望だった。 でも、希望というのは時に、いとも簡単に終わってしまうもので、後悔しても誰も助けてはくれないし、無残なままひとり部屋で過ごす夜があるものだ。今振り返るとそれは、ただの感傷的な夢だったのだろう。相手を傷つける言葉を吐き、終わっただけの片思いだった。 「人に傷つけられることよりも、人を傷つけたことの方がよく覚えている」と誰かが言った。 受けた傷も与えた傷も、覚えているけれど、たしかに傷つけたことは ずっと忘れられないらしい。後

          失意の中で(メリークリスマス)

          雑記(12/22)

           朝5時55分、眠れずにライフガードを飲む。昼夜逆転している人間は「精神的左利き」だとツイートしている人がいた。うまいことを言うなと思った。右利きの人が多数派の社会で、マイノリティーの左利きはどうでもいいことでも傷ついてしまうのかもしれない。自動販売機のお金入れは右側、ハサミも右持ちが使いやすくできている、、などの話を聞いたことがある。 早寝早起きができず、生活リズムが崩れた「精神的左利き」たちが、ドラキュラ(夜型のイメージ)の服を着て池袋とかに集まり連帯する世界がやって来

          ピンポン感想だとか

          アクマはスマイルの1000倍、努力したのにスマイルに負けた。「アクマには才能がないから」とスマイルは言った。勝った人間が負けた人間に言う言葉じゃない。アクマは暴力事件を起こし、卓球部を退部、高校を停学処分になった。軍艦みたいな髪形になったアクマは、インターハイ予選でまた現れ、恋人と一緒に元同志たちのプレイを見に来る。 アクマは卓球を辞めた。でもアクマは、お前には才能があるんだからやめるな、本気でやれよ、とペコに言うのだ。アクマは卓球を諦めた。家庭を持った。プロの卓球選手には

          ピンポン感想だとか

          東京より君へ

          やあ、そろそろ暑くなってきたね。東京の町に出てきました、相変わらずわけの分からないこと言ってます、って歌を何度も聞いていたのがウソみたいに東京に馴染んでいるよ。君はずっと東京が好きだ、文化の中心地だから、作家のイベントとアニメグッズの宝庫だと憧れていたね。でも一つ、か二つくらい君に残念なお知らせがある。作家にはなれなかった。君は作家になっていた僕を夢見ていた。東京が、自分の人生を変えてくれると信じて、いつかきっと明るい方へ、明るい方へたどり着くんだと最後の航海に乗り出した。