沖縄県内25卒採用市場の振り返り
毎月サービス利用者にアンケートを実施しているので、その内容をもとに25卒採用市場についての考察をまとめておきます。
※去年書いた内容はこちらです。これよりもさらに具体的に記載しています。
選考に繋がらない母集団
昨年に続いて年間を通しての振り返りを共有。昨年は各企業の人事から「就活生はどこにいるのか」という声があったと記載していますが、今年は『合説など大型のイベントで接触した学生が自社説明会等の自社主催コンテンツに繋がりづらい』『エントリー数・説明会参加者数の減少(新規接触者の獲得難易度があがった)』『選考流入してもらえない』といった声がさらに多くあったという印象。(24卒の時と同様で「就活生はどこに行ったのか」という声もよく聞きました。)
何度か開催した採用関連のセミナーでは、「コロナ禍を経て学生同士のつながりが希薄になり、元来「口コミ」が効果的である沖縄においては学生の活動が不活性になりやすい」ことや、「売り手市場が長引いたことによる就活への取り組み方の変化」といった、そもそもの前提条件から説明しています。例えば電通がリリースしていた就活生の動向調査には、下記のようなトピックスが見られました。
一言でまとめるなら「タイパ重視」という言葉に尽きるという感じでしょうか。就活支援サービスも様々あるなか、「いろんな企業情報が得られることや、多くの企業から自分に見合った企業を探せること」よりも、「①ES添削や面接対策などHow toに関する情報の重視」「②企業紹介も自分で探すよりエージェント経由でオススメしてもらう」といった機能の方が今の学生の思考には合っているし、ニーズを満たしているのかもしれません。ONE CAREERやエンカレッジのシェアが伸びているのが正にその結果。「ある程度活動すれば1-2社ささっと内定が取れる」といった、売り手市場の長期化が学生の思考に影響を与え、昔ほどいろんな企業を一生懸命見て周る就活感ではなくなっているというところでしょうか。その結果が、冒頭に記載した各企業からの声に表れているのではないかなと考えます。
早期から動く学生も3つのタイプに分かれる
以前であれば「3月1日の情報解禁」の前後で「早期から動く学生」と「情報解禁後から動く学生」に大きく2分され、動き始める時期によって学生の気質というか、就活に向かうスタンスの違いがあるという認識が一般的だったように思います(わかりやすく言えば、早期から動く学生は「優秀層」が多いといったような感じ)。ところが昨今は上図のようなルールも形骸化し、以前のように情報解禁のタイミングで媒体から多数のエントリーが来たり、合説に人が殺到するといったようなピーク、就活用語で言えば第一波が起きづらく、学生を面でを捕まえづらくなりました。さらに詳細に動向を見てみると、同じ「早期から動く学生」の中でも、過去の「早期から動く学生(3月情報解禁以前)」と「情報解禁後から動く学生(3月以降から動く学生)」との間で起こっていたようなスタンスや思考の差異が見られるようになった印象です。
ここからは、トポセシアのサービス利用者(就活生)に毎月とっているアンケート(毎月n=120-150程度)のデータを参照して説明したいと思います。下に示したグラフは、就活生が時期ごとに「業界」「業種」「企業(第一志望となる企業)」が決まっているかを確認した結果です。
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