FXにおける、《時間足》の考え方
トレードをしていて、手法がしっかりと定まって、いざトレードをしようとなった時、意外とつまずくのが「時間足」の扱いです。
時間足は、当たり前の存在すぎて実はよく理解していないことが多いのではないでしょうか?
もっというと、そもそも時間とは何でしょう?
今回はそんな素朴な疑問について自分の考えとアプローチ方法について書いていきます。
そもそも時間とは何か?
1日は24時間。
10km走るのに2時間。
12時半に〇〇で待ち合わせ・・・
我々は日常的に無意識に時間という概念を使いこなしています。
しかし、よく考えてみると時間って不思議な概念ではないでしょうか?
人間には時間を知覚できる感覚器官はありません。
例えば、目は光を入力して「見る」ことができ、耳は空気の振動を入力して「聴く」ことができます。
しかし、時間を感じるための為の感覚器官はありません。
ではなぜ人間は時間を感じられるのでしょうか?
その問いに答える前に、我々が時間を最初に学ぶ時を思い返えす必要があります。これが今の我々の時間認識の根幹を成しているからです。
さて、時間をきちんと学ぶのは、物理学のニュートン運動方程式の時ではないでしょうか?
F=MAです。
物理や数学にトラウマがある人は多いと思うので、ざっくりと説明します。
ニュートンの古典物理学では、時間は宇宙のどこでも一定の絶対的な物理量として扱われています。
このタイミングで、多くの人は、
時間=絶対的な存在
時間=確かに存在する物理量
というイメージを持ってしまうのです。
しかし、実はニュートンの時代の前では、時間を絶対的なものとして捉えていたのは少数派でした。
古代ギリシャのソクラテスの時代では、時間は単に変化を数える為の概念、として扱われていました。
つまり、宇宙の普遍的な物理量(光や重力)とは違い、完全に人間依存で人間が生み出した概念でしかないという考えが一般的でした。
分かりやすく言うと、時間は変化を測るための《物差し》なのです。
1、2、3と連続して一定の間隔で数えることで時間という概念は生まれているのです。
1日の変化を測るのに都合がいいから1日を24分割し、1日は24時間になりました。
単に人間にとって都合がいいからそうしただけです。
これが時間の正体です。
※時間とは何かという議論は、実は古代からなされているらしく、現在でもニュートン派(時間は絶対的で普遍な概念)の考え方とソクラテス派(時間は人間都合の相対的な概念)で分かれているらしいので、本稿はあくまで1説として考えてください。
FXにおける時間足とは何か?
時間が変化を測る物差しとすると、FXにおける時間足の考え方がわかってくると思います。
時間足は、価格変化を一定の間隔で測る為の物差しです。
こうすることで、変化量を一定の物差しで揃えることができるため、値動きの強さやパターンを相対的に比較することができるようになります。
相場分析はつまるところ、価格の相対的変化を時間という物差しを通して比較する行為、ということになります。
時間足の違いは、定規で言うと目盛の違いです。1mm目盛なのか、1cm目盛なのか、あるいは25cmを1単位とするような定規も作ろうと思えば作れます。
ゆえに、筋さえ通っていれば、目盛は自由に調整可能と言うことです。
逆に言うと、例えば、4時間足を使う必然的な理由はありません。
3時間足でもいいし、6時間足でもいいのです。(ちなみに、5時間足や9時間足は少し不自然です。なぜなら、時間足は1日を分割する概念のため、24時間の公約数である必要があります。)
3時間足の方が価格の変化がはっきりと見えるなら、その状況においては3時間足を使うべきです。
例えば、指標発表後に3時間連続で価格が上昇した場合、4時間足を使うより3時間足を使った場合は上昇とレンジの関係性がはっきりと見えるかもしれません。それにより、3時間足の方が綺麗なチャートパターンが観れるかもしれません。それはつまり、3時間足での目盛りで値動きを測った場合のほうが、4時間足で測るより相対的な変化の関係が見やすいと言うだけのことです。
簡単な例ですが、矢印の部分の上昇自体は時間足を変えても同じです。
しかし、4時間足でみるとインバランスがあるのに対し、日足だとインバランスが見えません。
この場合は、4時間足という目盛の定規でしか、インバランスのともなう値動きが観測できないことを示しているため、この上昇を元にトレードを構築したいなら4時間足を使うべきだと考えられます。
最後に
いかがだったでしょうか?
私は物理学や数学も結構好きなので、時間について考えるのは面白いです🌞
最後に、今回の記事で書いた時間について参考にした書籍を紹介しておきます。トレードとは関係ない本ですが、トレードのヒントにはなると思うのでおすすめです。