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ナンピンは悪か?
相場の難しさ
トレードが難しい理由は様々なものがありますが、1つが不確実性の高さです。
ファンダメンタル的に、テクニカリ的に上がるか下がるか知ることは案外難しくありません。
問題となるのは、いつ動くかというタイミングです。
長期的な方向性は分かっていても、明確な転換のタイミングが分からない、あるいはボラに負けて損切りが連続してしまう、など。
ナンピンはこのように、どちらに動くかは明確であるが、タイミングを図ることが難しい局面で有効です。
大まかなエントリーゾーンを定義し、そこから少量のポジションを建てて平均取得単価を調整します。
実際、機関投資家などはストップを置くようなトレードスタイルではなく、ポジションを蓄積しながら動きに乗る方法を実践してます。
ナンピンが初心者に難しいと言われる理由は、きちんとした計画にも続いたリスク管理が必要だからです。
もう少し具体的にいうと、ナンピンするということは、価格は持っているポジションと逆行していることになります。
この時に発生するドローダウンをどう捌くか=リスク管理ということになります。予めどの程度のドローダウンを許容できるかを明確にすることはもちろん、最大のナンピン回数の定義、完全撤退のシナリオの想定を予め考慮しないといけません。
また、ナンピンと無限ナンピンは別です。ある程度損失が膨らんできたら、ポジションの一部を損切りして整理する必要があります。
一方、ナンピンには弱点もあります。
リスク管理をミスると損失が膨らむこと以外にも、相場が逆行しないとポジション量が小さいままである点です。
基本的には逆行しながらポジションを蓄積していくため、エントリー後に直ぐに利確まで行くと、ストップを置く場合と比べて利益が少なくなってしまいます。
そのため、1万円を100倍に!のようなギャンブルを目的としている人には向きません。
しかし、5万ドルをもとに、500ドル(1%)利益を上げたい場合は非常に有効です。
結局のところ、相場において資金量が最も大きな武器になるということでもあります。
まとまった金があれば、ロットを下げることで相場のボラの影響を受けずに相場の波に乗れます。
私はこの問題を解決するために、プロップトレードという解決策を提案しているので、興味がある人は是非下の記事を読んでみてください。
逆にストップを使うことが効果的なのは、主にボラが大きく動く見込みがあるタイミングの時です。
大きな値動きが短期間で狙えるような場合は、リスクを限定してサクッと利益を狙う戦略が合理的になるため、ストップは積極的に使いべきでしょう。
指標発表の時などはストップを使って大きな動きを狙いつつ、リスクを限定することが合理的な戦略でしょう。
オオカミの場合
私がトレードをする際に重要視している考えが、エッジ(優位性)です。
これは、繰り返し起こる相場の癖と定義しています。
相場には様々なエッジがあります。
季節性や曜日や時間帯に基づいたパターンなどが分かりやすい例です。
私が好んで使うエッジは、相場の弾性です。
平たくいうと、大きく動いた後には反対方向に調整が起こる、ということです。
言い換えれば、相場のインバランスは埋まるという理屈です。
この優位性自体は過去のチャートを確認すればかなりの確率で発生することがわかります。
ではこの事実を知っていれば億万長者になれるのかというと、残念ながらそうではありません。
前段で話した、方向(戻るという事実、エッジ)が分かっていることと、戻るタイミングは別の話だからです。
1ADR動いてから戻るか、3ADR動いてから戻るかはわからないのです。
だからリスク管理が必要、というのが本来の思考順序になります。
ナンピンを使ったトレードの例
最後に、ナンピンを使ったリスク管理の例を示します。
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レジスタンスのブレイクかつ戻りのない上昇に対して、戻りを狙う手法です。
下位足に張り付いていれば、エントリータイミングはかることもできますが、多くの場合兼業だとそれができません。
そのため、最初のエントリーをしたら、EAを使って0.5ADRごとにポジションを追加します。あとは時間がある時にポジションのマネジメントとテイクプロフィットの調整をするだけです。
損失の制御もEAが自動で行うため、極端な事件が起きない限りかなり安定・安心して利益を積み上げることができます。
ここで1つポイントとなるのが、全く同じエッジをストップを使う手法でトレードすることも可能ということです。
例えば30分足で短期MAのブレイク時にショートし、ストップを高値に置くという方法でも同じように売りで利益を出せます。その場合、2回ほど損切りされたのちに利益になりますが。
結局のところ、損切りして再エントリーしたいか、どうせ再エントリーするならポジションを持ち続けたいか、の2通りの方法でリスクと向き合えるということでしかありません。
どちらの方法でも、ポジション量の計算は必要ですし、損失が出た際のアクションプランも必要です。
また、何よりも重要なのはエッジを持っていることです。
どのような値動きを期待してトレードをしているのか?
漠然とチャートを眺めて上がるか下がるか考えてもあまり意味はありませんし、再現性も低いです。
またエッジがないと、出口戦略も不明確になります。これは損切りだけに限らず、利確も同じです。
多くのトレーダーは、利確の失敗で負けていると個人的には思っています。
まとめ
今回はナンピンの可能性について書いてみました。
色々と書いてみたものの、実は私もナンピンによるリスク管理を始めたのは最近なので、そこまで経験はありません💦
とはいえ、兼業かつまとまった資金のあるプロップトレーダーにとってはかなり低ストレス低リスク(低リターンw)の手法であると実感しているため、今後も色々と研究をしていきたいと思います。
最後にナンピンを使って資金を運用しているプロップの口座の統計を出しておきます。(5万ドル口座)
Win Rate(勝率)が約90%なのが特徴です。
損切りしないので当然です。
その代わり当然負ける時は大きく負けるので、その点だけは念頭に置いてください。
では🖐️
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