11/9の決算発表の記事からゆるく読み解く 7
半導体の直近の環境ですが、半導体世界最大手のTSMCの10月単月が売上で過去最高を記録したとの事です。例に漏れず、生成AI関連のサーバー向けが要因となります。上期の決算発表を終えたばかりですが、下期に期待が持てそうな記事です。
決算発表をまとめていますが、その前に少し驚きの記事からご紹介します。
昨日、フジクラが過去最高益とお伝えしましたが、株価が急落しました。生成AIの普及によりデータセンター向けで好調な業績でしたが、大幅上昇したあとに反落しています。業績が良いのになぜ下落?と思いましたが、フジクラ株はこの成長期待は織り込まれており、市場は「好材料が出尽くし利益確定の好機」と判断したとの見方です。
企業としては、業績を上げて株式に長期保有をしていただきたいと考えていますが、なかなか難しいものです。
さて、決算発表をまとめていきます。
需要環境が悪く、業績が厳しい自動車業界ですがスズキは今期上振れと好調です。スズキの2025年3月期連結純利益が前期比10%増になりそうです。主力のインド市場では販売が足踏みするものの日本で好採算車種の販売が伸びるとのことです。国内の景気は決して良いとも思えませんが、良いものは売れるのですね。
ロームはすでに決算発表をしていますが、追加の記事です。ロームは2025年3月期の連結最終損益が12年ぶりに赤字と苦しい決算でした。これは自動車向けのパワー半導体で復活を期したものの世界的なEV不況により、前期に大きな設備投資をした影響が出ていることが要因のようです。そのため、今期の設備投資も先行投資ではなく「需要見合い」とする方針となります。ただし、EVが成長するのは間違いなく、30年にはシェア30%の目標は変えないという事です。
自動車用タイヤを販売している住友ゴムは、2024年12月期の連結純利益が前期比97%減となります。従来予想から一転減益の下方修正となりますが、北米工場閉鎖に伴う構造改革関連損を計上しています。営業利益は増加しており、構造改革費用は一過性となりますので、今は我慢の時という事だと考えます。
機械関連では、ダイフクとクボタの決算発表がありました。ダイフクは主力の輸送機器が半導体や小売向けで好調という事で、2024年12月期の連結純利益で従来予想を15%程度上まります。来期は、生成AI向けや後工程向けが伸びると予想していますので、半導体関連企業の期待が高まります。
一方のクボタは北米市場でのトラクターに加え欧州の農機や建機の主力の機械事業が想定以上に悪化し2024年12月期の連結純利益が前期比7%減となりそうです。
鉄道関連では、東急と東急の決算発表がありましたが、両極端な内容です。まず東急ですが移動利用やインバウンドにより2025年3月期の連結純利益は前期比16%増となりますが、京急は同前期比74%の減益となります。ただし、従来予想からは上振れしています。
食料関係では、どこも好調のようです。外食大手のマクドナルドは値上げが浸透し、2024年1-9月期の純利益が前年同期比で21%の増となりました。またF&LC(スシロー)も2024年9月期の純利益が前期比82%の増加、東洋水産も4-9月期の純利益が前年同期比で27%の増益となりました。
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