見出し画像

11/2の決算発表の記事からゆる〜く読み解く 4

11月1日にも数多くの企業が決算発表をしました。注目企業も多く気になります。

全体感では、AI関連(データセンター、半導体、スマホ)の好調さと自動車の弱さが目につきます。地域では中国と欧州の不況がどうなるか、と北米の好調が大統領選も踏まえどうなるのか、がキーワードとなりそうです。

大手5証券(野村、大和、みずほ、SMBC日興、三菱UFJ)の連結決算が出揃いました。上半期は日経平均も過去最高を記録するなど、為替の動きもありましたが、全体で前年同期比で66%増と好調でした。個人向けの手数料が堅調だったとのことです。

昨日、ANAホールディングスの決算発表をお知らせしましたが、JALも決算発表を行いました。両社とも2024時4-9月期は売上高が過去最高を更新したものの、人件費や燃料のコストアップにより純利益は減益となっています。好調な売上高は、インバウンドなどもあり国際線が堅調であったことでした。ただ、国際線は紛争リスクの高まり、昨日お伝えしましたがボーイング社の経営混乱(同面記事:38%賃上げ 暫定合意)の余波などが懸念です。

JR本州3社は、4-9月の最終損益は揃って増益でした。インバウンド需要が要因となっています。先日のJR東日本の決算記事でも触れましたが、在宅勤務やオンライン会議が定着したことにより鉄道利用者が減り、コロナ禍前の水準には戻っていません

化学系のメーカーでは、旭化成が2025年3月期の連結純利益が前期比の2.5倍、三菱ケミカルも同17%増と好調でした。旭化成は、AI需要の拡大によりサーバーや高性能スマホに使う電子材料の拡大の他、ヘルスケア事業が好業績に寄与しています。
電機機器の大手である村田製作所の決算発表がありました。村田製作所の4-9月期の連結決算は、純利益が4%増の1303億円となりました。営業利益率は、グラフから推測すると20%弱と高いレベルです。好調な理由は、AI関連サーバー向けの電子部品が牽引し、前期比で2.8倍の伸びとなりました。スマートフォン向けも回復し、売上高は前期比6%の伸びとなり、3年ぶりの増益との事です。一方、中国市場では中〜低価格帯のスマホ比率が高まっており村田の提供できる製品が減ってしまうようです。自動車向けの売上高は8%増との事で自動車部品メーカーが厳しい状況の中、村田はさすがです。

TDKはスマホ向けの電池が好調で2025年3月期の見通りは純利益で28%増の上方修正となります。この好業績はICT(情報通信技術)の市場拡大によるものです。スマホの世界生産台数予想を4月時点の11億4400万台から11億7500万台に引上げて小型電池やセンサーの販売の追い風となっています。他、データセンター向けも好調ですが、自動車は厳しいとの見方です。中国と欧州の動向を注視していくとの事です。

半導体関連では、オルガノも2025年3月期の連結純利益見通しは前年同期比で28%増となり、過去最高益であった従来予想より39億円の上振れとなります。半導体工場の水処理プラントの受注が想定以上に伸びた事が要因です。

他、エプソン欧米の教育需要の低下や中国の景気減速などによりプロジェクターの販売不振となり、2025年3月期の連結純利益は11%の減となります。

不調の自動車にあって、スバルは4-9月期の連結純利益は8%増となっています。スバルは北米で強いシェアを持っていますが、北米での新型車導入が寄与しています。

商社では、三菱商事が純利益33%増に対し、丸紅は純利益5%減、三井物産は前回見通しより200億円の上方修正となっています。

海外勢ではAmazonが好調でした。Amazonの7-9月期決算は売上高が前年同期比で11%増の約24兆円‼️(桁が違います)営業利益も56%増となりました。クラウドコンピューティング事業(インターネット上のサーバーに存在するコンピュータ機能を利用すること)が営業最高益を更新しています。

ファーウェイは、1-9月期業績の純利益は前年同期比で13.7%減となりました。売上高は同29%増でしたが、研究開発費の負担が大きかったようです。ただ、これは将来投資なので大きな懸念ではありませんが、営業コスト増は半導体の調達などでコスト負担があり、こちらは懸念です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?