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2/4 の決算発表記事からゆる〜く読み解く 5
大きなインパクトのあった決算発表でした。
京セラは、2025年3月期の連結純利益が前期比80%減になりそうだ、と発表しました。これは、リーマンショックの09年3月期を下回り、利益水準としては決算短信を公表している00年3月期以降では最低水準に落ち込んでいる、ということです。
原因としては、生成AIを運用するデータセンターで使われるGPU(画像処理半導体)向け有機パッケージと自動車向け電子部品の不振によるものですが、有機パッケージを京セラは従来型が主力で先端分野の顧客開拓が進んでいないことがあるようです。
ロームも純利益が減少しました。2024年4-12月期の純利益が前年同期比99.5%となりました。原因は、電気自動車や産業機械向けのパワー半導体需要の低迷となります。
一方、村田製作所ですが3年ぶりに最終増益となりました。要因としては生成AIサービスを運用するデータセンター向けに主力製品の積層セラミックコンデンサーが伸びたことによります。売上高も7%増の1兆3314億円となりました。
半導体関連事業で好調なのはHOYAです。HOYAは2025年3月期の連結純利益が前期比9%増になりそうだと発表しました。5期連続の最高益更新となります。HDD向けガラス基盤や最先端半導体の生産に欠かせない極端紫外線(EUV)対応の回路原盤が伸びるという事です。
自動車が厳しいという決算は、今期も変わらないようです。減益幅(率)も極端です。
三菱自動車は2025時3月期の連結純利益が前期比77%減、従来予想からも7%減の下方修正を発表しました。主力の東南アジアの一部で販売不振とのことです。三菱自動車は、決算よりもホンダ・日産との経営統合が注目されますが、統合の参画方法の検討が継続されているようです。
また、ヤマハ発動機は2024年12月期の連結純利益を34%下方修正しています。詳細は決算説明会ということですが、主力の自動車やマリン事業が低迷しているようです。
その他、エネルギーや輸送の決算発表もありました。
電力大手10社の決算が出揃いました。10社のうち7社が最終損益を悪化させたということです。理由としては、前期比に資源価格の急落で膨らんだ「期ずれ差益」が減ったことによります。各社とも同じ状況のようですが、消費者的には電気代があれだけ高騰しながらこの結果なのか、と感じてしまいます。
JR(東、西、東海)の決算も出揃いましたが、インバウンド需要を追い風に3社とも増益という事です。新幹線の利用客の増加に加え、都市部での近距離移動が増えており定期外収入がコロナ禍前と同水準になったようです。一方のテレワークの普及により定期券収入はコロナ禍前の16%減ということです。
ANAホールディングスの決算発表ですが、2025年3月期の連結純利益は前期比11%減の見通しですが、これは従来予想からは200億円の上方修正となります。見通しは、前期より相当悪いだろうと思ったけど、そこまでではなかったという結果ですが、インバウンド需要が衰えずという事でしょうか。