11/1の決算発表記事からゆるく読み解く 3
10/31は決算発表の集中日であったため、多くの企業の情報が集められました。やはりポイントは事業では「自動車・半導体」、地域では「中国」というキーワードが浮かび上がっています。
まず注目のトヨタ系主要8社(デンソー、アイシン、豊田織機など)です。全ての事業がトヨタ向けと言うわけではありませんが、トヨタの生産台数減の影響を受ける決算となっています。
自動車の減産は、中国での販売不振が大きな理由です。8社中、5社が2025年3月期の4-9月の連結純利益が前期比マイナス、また半分の4社が通期予想を下方修正しています。一方で、4-9月期の連結純利益で過去最高値を3社が記録しています。
自動車の生産に影響された企業は、三菱電機と日本精工ですが、自動車以外の事業の結果で明暗が分かれています。三菱電機は4-9月の営業利益は前年同期比で30%増となりました。要因は値上げや円安が主要因ですが、自動車機器が不振の中で空調・家電の販売が北米やアジアで伸びています。
一方の日本精工ですが、2025年3月期の連結純利益が当初計画に対し29%減の60億円になると発表されました。要因は自動車向けは中国と欧州、産業機械向けも欧州向けや風力発電需要の落ち込みなど両方の事業で苦しいようです。また、日本精工と軸受の同業であるNTNの決算発表がありましたが、こちらも苦しい状況のようです。2025年の最終損益が160億円の赤字になります。原因は、こちらも自動車向けや工作機械向けの不振が理由です。軸受といえば、トヨタ系のジェイテクトも以前は光洋という軸受メーカーが豊田工機と一緒になったものですが(いずれもトヨタ系)3社とも下方修正の厳しい決算でした。
注目の半導体では、ルネサスの決算発表がありましたが、2024年1-9月期の連結純利益は前年同期比で26%減と苦しい決算でした。理由はFA向けや産業機器向けの半導体需要の落ち込みになります。半導体需要の牽引役であった自動車向けの販売が伸び悩み産業機器向けの売上減を補え無かったことがこの結果に繋がったようです。こちらも自動車の生産減が影響しています。
他の半導体関連では、ニコンですが2025年3月期の連結純利益は前年同期比の51%減となり、従来予想から下方修正しています。半導体市況の遅れから半導体露光装置の販売が不振となります。
AI向け半導体需要の取り込みで、積水化学が2025年3月期の営業利益の見通しが前年比11%増の1050億円になると発表しました。スマホ向けも伸びるようです。
物流・運輸ではANAホールディングスなどの決算発表がありました。ANAは、2025年3月期の連結純利益ご従来予想の前年比30%減から24%減となり赤字幅が縮小します。下期は、欧州線などの好調さから前年比で10%程度顧客が増える見通しです。
航空では、エアバスも1-9月期の純利益で22%増となりました。
また、地上を走るJR東日本の決算は、4-9月期の純利益は19%増となりました。それでもコロナ禍前の7割程度ということで、コロナによる人員移動の変化(在宅勤務による定期券需要の減少やオンライン会議など)は大きい状況です。
三井郵船は、コンテナ運賃の高止まりで2025年3月期の連結純利益が前年同期比34%増と上方修正の発表がありました。
家電ではノジマ電機では、4-9月期の連結純利益は前期比54%増となり、従来予想を上回っています。家電・スマホ事業とも好調でした。増配もあり決算発表後株価も上場来高値をつけました。
コナミグループの4-9月期の連結純利益は364億円と過去最高値を記録しています。家庭用ゲームソフトを中心としたデジタルエンタテインメント事業が全体を牽引しました。
その他エネルギーでは、電力大手の発表では10社中9社が4-9月期で減益、大阪ガスも同純利益で43%となっています。
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