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"ミライ"のグルーヴコースターが発表されたので、"イマ"のグルコスを考える
2025/01/30(木)、グルーヴコースターは「ミライ」を我々にお披露目した。
『メディア向けグルーヴコースター 新作発表会』にて、グルーヴコースター(以下、グルコス)の完全新作『グルーヴコースター フューチャーパフォーマーズ』が発表された。
「グルーヴコースターってなに?」という方は、こちらや下記をご参照いただきたい。
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今作は"完全新作"と銘打たれており、多数の新要素・変更点がある。
それらを見ていきながら、グルコスの今後について考えていきたい。
以下、2025年2月現在最新作である『グルーヴコースター ワイワイパーティー!!!!』を"前作"、『グルーヴコースター フューチャーパフォーマーズ』を"今作"と表記する。
また、先日行われた『メディア向けグルーヴコースター 新作発表会』を"発表会"と表記する。
①選べる2つのプレイスタイル
前作:ボタンやスティックで操作する「スタンダード操作」、Joy-Conを振る「アクティブ操作」の2種類
今作:ノートは4種類とシンプルで片手だけ(一部例外あり)でも操作できる「ベーシック」、ベーシックの4種に加えて5種のノートが追加された「アドバンスド」の2種類
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プレイスタイルが2種類という点は前作と変わらないが、内容は一新。
「ベーシック」「アドバンスド」両方とも前作の「スタンダード操作」をベースに作られているとみられ、Joy-Conを振るグルコスは廃止されると思われる。
今作の難易度に関しては今のところ明言されていない……が、サイト内の画像をよくみると"NORMAL"、"MASTER"という表記が確認できる。しかも、「ベーシック」「アドバンス」両方にMASTER譜面があるようだ。
前作には1曲につき「スタンダード操作」にEASY/NORMAL/HARD/MASTERの4譜面、「アクティブ操作」にEASY/NORMAL/HARDの3譜面、合計7譜面が用意されていたが、この画像群を見るに合計8譜面となるのだろうか。
操作の話からは脱線するが……
画像を見ると"PERFECT+"という判定表記が確認できる。今までの最高判定は"GREAT"だったが、PERFECTすら飛び越えて+表記というのは気になるところである。
また、発表会中のプレイ動画をご覧いただくと判明するのだが、ホールド(今作では"ライン"という名称)の終点でもノート音が鳴っていたり、FEVERシステム(チェインを一定数重ねるとその上昇値が倍になるシステム)が廃止されたりといった変更もみられる。
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今まで"ヒット"・"スライド"・"ホールド"等となっていた各ノートの名称も一新されるようで、新ノートも登場。
「ベーシック」では今までなかったL/Rボタンを押す"スクエア"、「アドバンスド」では左右どちらの手で操作するかが決まっているノートも登場。色が分かれているので、そこの見極めがカギとなりそう。
また画像には登場しておらず発表会にて口頭で明かされた情報によるものだが、"AD-LIB(アドリブ)"が廃止されるらしい。
アドリブとはコース上のノートがない箇所に隠された状態で置かれているノートのことで、曲の随所に置かれる要素としていろいろな形でユーザーと深く関わってきたものであり、これの廃止には発表会会場でも大きな声が上がっていた。
その代替として"スペシャルノート"を用意したものと思われる。
②映像表現の進化
前作:楽曲ごとにオリジナルの演出が制作されており、それを背景にゲームをプレイする。もとより縦画面のゲームであったため、演出もそれが中心(Switchを横画面でプレイすることもできるが、縦がベースのため画面いっぱいに表示することはできなかった)
今作:横置きフル画面表示に対応、ビジュアル面も大幅に強化
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グルコスシリーズ通しての強みでもある"演出"だが、ここにも手が加えられた。
今までなかった横画面への対応は大きな変更点だろう。
しかし、逆に今までのように縦画面で遊べるのかどうかについては明言されていない。
③ストーリーモードの実装
前作:ストーリーモードは存在しなかった(キャラクターはおり、それぞれにプロフィール等の設定はされていた)
今作:ストーリーモードを実装、初登場のキャラクター多数。加えて前作まで存在した「リンカ」も登場。さらに、各学校やキャラクターにテーマソングが付随する
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こちらもシリーズ初の要素。
今まで設定だけに留まっていたキャラクターという存在に明確なストーリーが付くようになり、物語が展開されるようだ。
ライバルを倒して、頂点を目指す『グルーヴ杯』開幕!
ミライの世界で、閃道カケルと氷芽川アリアの2人の主人公を中心に同じ学校の仲間や顧問教師、他の学校のライバルなど、豊富なキャラクターが登場。『グルーヴコースター』の大会で優勝を目指す物語がはじまる…
それそれのキャラクターや高校のテーマソングとして、人気アーティストによる書き下ろし楽曲も収録。
ストーリーを彩る個性豊かなオリジナル曲にも注目。
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現時点で5名のキャラクターが確認できるが、マスコットキャラクター的な風貌の2名(匹?)は"顧問の先生"的立ち位置らしい。
キャラクターボイスも完備。
顔ぶれを見るに、生徒たちは声優が、先生たちはVtuberがCVを務めるようだ。
さらに、学校ごと・キャラクターごとにアーティストが付き、テーマソングが用意されているという点も魅力。
このあたりはスマートフォン向けアプリゲーム『#コンパス 戦闘摂理解析システム』のようなものか。あちらも各ヒーロー(キャラクター)ごとにテーマソングが用意されている。アクションRPG『ゼンレスゾーンゼロ』でも、(正確には"同人"という扱いかつ一部キャラクターのみだが)似たような要素はある。
ちなみに、学校のテーマソングに関してはあくまで"学校のイメージに合った音ゲー曲"という扱いであり"校歌"ではないらしいが、響華女学院のテーマソングアーティストであるかねこちはる氏の告知ポストでは思いっきり"校歌"という表現が使われていた。いかつい学校だな。
虹宮高校の購買ではアイスクリームがいっぱい売られていそうである。
なお、今までのグルコスシリーズに登場してきた「リンカ」は参戦が確定しているが、「ユメ」「セイネ」「ユウ」については現状未確認。後述の今作オリジナル曲には名を連ねているので、おそらく参戦するとは思われるが……
GC CRABは堂々とスタジアムの入り口に鎮座しているため参戦が確定している。
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④その他
今作の新要素については現状こんなところだったが、前作に関する新情報も発表された。
新規DLC「オリジナルパック10(Final Boss特集)」と、今作のオリジナル楽曲「Groove High」の先行収録である。
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ただ、新作もある関係かこれが「おそらく最後のDLCとなる」ようである。
ティザーサイトや発表会で確認できた情報は一通りこんなところ。
発表会ではトークショーやDJライブも行われているので、そちらはアーカイブにてご確認いただきたい。
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プラットフォーム:Nintendo Switch ※ダウンロード専用
ジャンル:リズムアクションゲーム
ハード:アーケードゲーム
発売:2025年発売予定
プレイ人数:1人
価格:未定
CERO:B(12歳以上対象)
……と、ここまでは発表された情報をまとめただけであり、各種メディアでもやっている範疇。ここまでの記述もなるべく事実のみを述べるようにしてきた。
ここからはよりユーザーとしての目線で、今回の発表を改めて見ていきたい。
ここからは少々否定的な意見・言葉も出てくるので、ご了承いただける方のみ先へ進んでほしい。
今回の発表について初めに現状から述べるが、ぶっちゃけ賛否両論である。
あくまで私視点でみた話が中心となるが、もう少し詳しく見ていきたい。
まず『①選べる2つのプレイスタイル』について。
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いきなり初手での「アクティブ操作」リストラ。
プレイヤーは一定数いるかと思われたが、ユーザー全体からみて廃止される程度にはプレイヤーが少なかったということだろうか……残念なところである。
では、「スタンダード操作」が続投したかというと、そうとも言い切れない。
「ベーシック」「アドバンスド」どちらも「スタンダード操作」ではない。あくまでベースがそうなだけであり、どちらも新ノートが用意されている。
個人的には「既存ノートの名称まで変える必要あったか……?」とは思っているが、名称だけならまだいい。
問題は「アドバンスド」の方。
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特に右2つに関して。
最初見た時に真っ先に浮かんだのは、MÚSECA(以下、ミュゼカ)の「ディレクショナルスピンオブジェクト」だった。
共通して言えることは、「悪用されるとヤバい」。
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他にも思い当たる要素はあるのだが、個人的にはこれが一番近く感じられた。理由としては
・ノートそのものに指示がある→"点"で対象を把握しなければいけない
・小さい
・↑の理由から、いわゆる"目押し"に近い視線誘導を求められ、先の譜面を認識しにくい
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発表会中に流れたプレイ動画の一部分だが、このアローをそれぞれどちらの手で押さなくてはならないか判別しないといけないわけである。この点は最悪回す方向さえ合っていれば左右どちらの手でもいいミュゼカよりきつい。
しかもアローならまだ良くて、サークルとなると小さすぎるような……
ただでさえグルコスは多くの他音ゲーと異なりプレイ中の視点が常に移動しており、ノートの認識にかかる労力が重い音ゲーだと考えているので、相性があまり良くないように思う(プレイ中の視点が常に移動する音ゲーは先例があるが、こちらはノートの着地点を目視していれば対処できるのに対してグルコスはノートも移動している)。
このあたりは直感を鍛えるしかないだろうか。
ちなみに、左が青で右が赤という配色をしているゲームにはこれまた先例もいるので、あちらもやっている人には幾分馴染みやすい……かもしれない。私だってインペリアルなのに不安だ
加えて、プレイフィールに関係することでいうと、左右の操作指定というのは音ゲーマーにとってストレス要素である。
グルコスにはこれまでのシリーズで、"右利き"・"左利き"・"左右バランス"といった要素が存在してきた。これはアーケード版や前作にある対戦にてもらえるポイントにかかわる要素なのだが、要するに人間には基本的に利き手があり、プレイヤーはそれを意識したプレイをしているというのを理解しているはずである。私は右利きなので、大半の8分までの配置の多くを右手で処理している。
そこに対してメスを入れる、言ってしまえば水を差す要素だと感じてしまっている。「ここ右手で取りたいのに~」とか頻発しないことを願う。
配色に関してもう1つ懸念点が。
ノートに好きな色をつけられない/勝手に色がついてしまうという問題だ。
例に出すのがオリジナル曲になるが、『Lost Colors』という楽曲の譜面をご覧いただきたい。
タイトル通り"無彩色"がテーマの楽曲で、サビの前後で色の使い分けに工夫がみられる。
これがもし今作の楽曲だったら、レフトサークルやライトアローなど(サビ前までは)置けるはずもなく、もし置こうものなら雰囲気を壊しかねない。
かといって全く置かなかったら難易度を調整できない、そもそもアドバンスドである必要もないというところで、配色問題は想像以上に制限をかけてくるように思う。
(ただ、最初にここで引き合いに出そうとしていた『裏表ラバーズ』等wowaka氏の楽曲の譜面を改めて見てみたら普通に色付きのまま配置されていたので、ノートに関しては許容されているのかもしれない。今作収録楽曲でいうと『ラグトレイン』の譜面は気になるところである。)
『Lost Colors』とは真逆の観点で、今度は今作からの新曲の1つである『メズマライザー』を見てみる。
新曲ということで当然譜面はわからないので、公式MVを。
ここにあのノート置けるのか……?と正直思った。
先ほどとは打って変わって終始色彩鮮やかなMVが特徴的であり、初音ミク&重音テトという起用バーチャルシンガーも相まって"青"と"赤"が多用されている。
後述するが今作は既存MVも普通に背景に流れる方向性のようなので、いわゆる"溶け込みすぎた"状態にならないでほしいと思う。
また今までのように演出を作成するにしても、MV再現度が高いことで知られるグルコスはかなり気合の入った演出を作ってくれるに違いないという信頼があるのだが、それとノートデザインの嚙み合わせが裏目に出る形となる。
そういう意味の認識難は音ゲー的な難しさではなく、システムないしはゲーム側のデザインの問題である。ここを一緒くたにしてはならない。
懸念点ばかり列挙してしまったので閑話休題として、1つ面白いと思った点も挙げる。「コンビネーション」だ。
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2024年8月、前作に追加されたDLC『CHUNITHMパック』の収録曲の1つに『Nijirate Fanatics』というものがある。
この楽曲の中盤あたりに本家だと通常譜面ではレギュレーション違反となる配置が見かけ上降ってくるというギミックが施されており、グルコスでもそれが再現されているのだが、その再現内容がホールドの終点に重なるようにスライドを見かけ上置くというものだった。
この時私は「おいそれだけはまじでやめろホールド内にノート置くって発想は一応あるんやな」となって笑っていたのだが、コンビネーションの誕生によってそれが実現した、というお話でした。
続けて、かなり多くの人が苦言を呈しているアドリブの廃止について。
昔話になります。
上記に載せた『Lost Colors』でもそうなのだが、このゲームにおけるアドリブの存在意義は大きかった。
そもそも譜面に表示されないので、まずどこにあるのか探さなくてはならないものだった。そのまましばらく時が流れて『PERFECT PLAYER』というアイテムが実装、アドリブの箇所が音で分かるようになった。さらに時は流れ『VISIBLE』実装、これによりアドリブ箇所がついに可視化できるようになる……2つのアイテムは高級品でなかなか入手しづらいものだったが前作にてついに恒常アイテム化し、(1人プレイであれば)何度も使えるようになった……と、アドリブとそれを取り巻くアイテムの変遷は歴史がけっこう長い。
また特に初期の譜面はかなりフリーダムにアドリブが置かれているものも多く、いろいろな意味でユーザーに愛されてきた(よね?)要素として今も語り草になるものである。
発表会の最後・DJライブの映像を見てほしいのだが、ところどころ観客がわりと変なところで手拍子をしていないだろうか。あれこそ、アドリブの存在が生んだものなのである。
ここまで書いておいて&風潮的に言いづらいのだが、"""私自身は"""アドリブの廃止には納得している。理由は下記の2点。
(1)前作からVISIBLEが実質恒常アイテム化→常にアドリブが視認できる状態にあるため、既にあまり(システム上としての)意味がなくなっていたと感じるから。
(2)明確に"リズムゲーム/音ゲー"を謳う以上、初見では存在・状態が不確定となってしまう要素は無くす(見えているノート100%でできた譜面を譜面という商品として出す)べきであるから。例外はあるが……
1点目に関しては書いた通りであるのだが、現在はVISIBLEが常に使えるのでもはやアドリブは本来の意味をあまり果たしていない。
今回の廃止で今までの楽曲や譜面からアドリブが全部取り上げられるわけではないため、これまで出会ってきたすべてのアドリブを大切にして、話のネタにしてあげてほしいと思っている。
2点目に関して、まず見てほしいものがある。
2023年に『maimai』がグルコスとコラボした時のX(Twitter)での告知ポストと、その2ヶ月後に『WACCA』とコラボした時のそれである。
【BUDDiESコラボ情報・第2弾!】
— maimai でらっくす公式 (@maimai_official) September 7, 2023
音楽体感アトラクション「グルーヴコースター」コラボが9/14(木)よりスタート!🎧
「Play merrily NEO」「アルカンシエル」「OMAKENO Stroke」をmaimaiで遊んで、キャラもゲットしちゃおう!
Let's GROOVE COASTER!!!!👾
⬇️詳しくはコチラ!https://t.co/knPuUF0fUC pic.twitter.com/CdkghPimSh
【11/10(金)「WACCAちほー」登場!】
— maimai でらっくす公式 (@maimai_official) November 9, 2023
10日(金)より、アーケード音楽ゲーム『WACCA』とのコラボが開催決定!
WACCA Lilyのテーマソング「with U」をはじめ、さまざまなアーティスト・難易度の楽曲が4曲一挙収録されちゃいます!!
⬇️詳しくはコチラ!https://t.co/ee7BWi0STa pic.twitter.com/ZzIsUuoJgI
続けて、今作を一番最初に発表したときの告知画像。
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グルーヴコースターというタイトルのことを何と説明しているか、違いがあることに気づくだろうか。
グルコスはこれまでも実質音ゲーと呼んで差し支えない扱いをしてきた/されてきたものの、"音楽のジェットコースター"とか、上記の"音楽体感アトラクション"とかの説明が多く、あまり"音ゲー"やそれに類する説明を使ってこなかった。見落としているだけな気もするのであったら教えてください。
比べて『WACCA』は音ゲーと説明されている。
それに対して、今作は一発目からはっきりと"リズムゲーム"と表記した。
加えて、PERFECT+判定の実装(実態はわからないが)などもあって音ゲー方面により寄せた変更点が目立つ。このことから、"音ゲー"であることを重視した結果の一つがアドリブ廃止ではないかと考えている。
これまた風潮的に言いづらいことを言うが、私自身アドリブは"グルコスの文化としては"好きだが、"音ゲーの要素としては"あまり好きではない。
もう少しで新作が出る某狩りゲーやそれ以前にハンターとして生きてきたグルコス勢がいるなら、「ホットドリンク」「クーラードリンク」と言えば伝わりやすいだろうか。
"そういうもの"として愛されてきているのは確かだが、満足のいくゲーム体験に割り込んでくる形で少なからず妨げているものでもあるということである。
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また、アドリブに近い要素を持つ音ゲー要素として、(音ゲーという説明は厳密には正確ではないが)『DanceEvolution』『DanceEvolution ARCADE』の「シークレットリップル」というシステムがある。「リップル」というのはノートの一種で、「ヒット」「サークル」みたいなものと同等と考えてよい。
画面に表示されないノートであることはアドリブと同義だが、こちらは一定時間スコアがアップする特殊な状態に入ることができる要素がゲーム内にあり、その時間内にしかシークレットリップルを出現させられない。加えてシークレットリップルが出現する箇所は楽曲と譜面によって決まっており、特殊状態もゲージを溜めて一定時間のみ……みたいな仕様のため、1回のプレイではすべて拾いきれないものまで存在する。ただし、一度出現させれば以降その譜面では一度も特殊状態に入らなくても通常のリップルとして出現するようになる。
要するに、シークレットリップルをすべて出し切ってからプレイしないと完全な譜面でプレイすることができず、最初から周回が前提である(特にXbox版ではこれを出現させたうえですべて取れていないと、フルコンボとして扱ってくれなかった)。
正直グルコスのアドリブを上回る手厳しい仕様であるが私が言いたいのはそれよりも、最初から完全なプレイをさせてもらえないことに対するもどかしさ・表示されているノートをすべて拾えているのにスコアが完璧にならないことに対して抱く理不尽さである。
満足のいくプレイ体験をするために周回が前提となることが、果たして音ゲーのスタイルと合致するだろうか?ましてやアーケード版は(グルコスもそうだが)プレイの度に料金を支払っているのに、である。
昔はそれでも良かったかもしれないが、現代には合わないと考えている。
上記動画の左側が全解放状態、右側が何もしていない状態である。ハイスコアを取るためには当然左側の状態が理想であるが、そのためには前述の条件を満たしながら隠しノートを探さなければならない。
現代はコンテンツによる時間の奪い合いだとしばしば言われる。こんな記事を書いている自分にブーメランが刺さる。
娯楽は一瞬で消費され、動画は倍速で視聴することも少なくない今、時間のかかるコンテンツは目を向けてもらえない。音ゲー1曲にかかる1~2分だって立派な時間であるし、体力も使う。
それを最初から何度も求める仕様は、今は受け入れてもらえない。
特にグルコスは、前作が次のDLCで最後になる(予定)と言われており、他のプラットフォームもサービス終了あるいは年単位で更新のない状態が続いているため、言うなれば今作が発売されればそれ一本の状態となる。
前作ローンチ時点ではまだアーケードもアプリも生きていたが、今作はコケられないのだ。
そういう理由で、私はアドリブの廃止には納得している。
続けて、『②映像表現の進化』について。
これに関しては1点だけ。
もう一度画像を見てほしい。
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体感で言うとおそらく多くのユーザーの最も大きな懸念事項はアドリブの廃止な気がするが、私自身としてはこここそが最も危惧したい点である。
もしこれが開発中の画像だから暫定的に公式のものを借りて差し替えてますっていう話だったら読み飛ばしてほしいのだが、グルコスが譜面に公式のMVを"そのまま"流すというのはこれまでいかなる楽曲でもやってこなかった(はずの)所業で、これで映像表現を進化させたという表現には疑問符が付く。
かつてグルコスの演出で特に広まったものでいえば、『FLOWER』『B.B.K.K.B.K.K.』の2曲だろうか。
「FLOWER」の最後のシーンはジャケット画像をイメージしていますが、あえて鏡の周りを黒くしてあり、黒い部分にプレイヤー自身が映り込むことで世界に一つだけのステージが完成します。#細かすぎて伝わらないグルコス演出ネタ #グルコス pic.twitter.com/MIySXChJkN
— グルーヴコースター🎧GROOVE COASTER公式 (@groove_coaster) October 30, 2014
【AC】新曲「B.B.K.K.B.K.K. / nora2r」のステージ演出が話題ですが、こちらは背景に動画を流しているのではなく、ポリゴンのオブジェクトを、一つ一つコースのある3D空間に配置してMVを再現しています。是非ゲームセンターの大画面で迫力のある演出をお楽しみください! #グルコス演出ネタ #グルコス pic.twitter.com/xgp8KcNlZ9
— グルーヴコースター🎧GROOVE COASTER公式 (@groove_coaster) July 13, 2018
『FLOWER』はその発想に度肝を抜かれたし、『B.B.K.K.B.K.K.』は最初は本当にMVを流しているのかと錯覚するほどのクオリティの高さを見せつけられ、衝撃を受けたことが記憶に新しい。
また最近はこういったネタ紹介を全然やらなくなってしまったが、近年は『強風オールバック』や『少女レイ』などの演出も個人的に面白いと思った。
私も各所でたびたび言うのだが、こうした演出はグルコスが持つ大きな魅力である。
グルコスも上述したようにネタ紹介こそやらなくなってしまったが、近年のDLCでも再現度の高さや演出のクオリティは衰えることなく、楽曲によって毎度さまざまな顔を見せてくれていた。アーケードでも、他のゲームと比較してディスプレイが比較的大きいうえに垂直に縦型で目立つこともあり、"映え"が非常に強かった。
そんなグルコスが演出の作成を取りやめてしまったのかと思い、初見は声が出なかった。
『maimai』がいつからか踊ってみたMVを全然収録しなくなってしまった時や、『オンゲキ』でコラボキャラクターの3Dモデルが作られなくなったりデジタルカードが誕生したりした時、『jubeat saucer fulfill』(当時)がコインプレーだとEXTREME譜面がプレイできなくなった時(後にアップデートでプレイ可能になった)も同じようなショックを受けたが、今回のそれは特に大きく響いているように思える。
事情があるのかもしれないが、今までできていたことができなくなるというのは明確に、"劣化"・"退化"・"改悪"としてユーザーの目に映る。ましてや、そのタイトルが持つ強みが失われたのであれば、その喪失感はなおさら大きい。
私は会社の偉い人とか筆頭株主とか億万長者の大金持ちでもないので決定を止める力はないが、悲しいと思うし、もったいないとは思う。
あと、そもそも公式MVを流すことが"劣化"だとは言わない。公式MVだってその楽曲を表現するために気合を入れて作られている。
問題なのは、"手を抜いた"と思われてしまうような変更が(たとえ見かけ上でも)明らかに分かってしまう点だ。
あたりまえだが演出を1から作るのは多大な労力がかかることは想像に難くないので、音ゲー部分に注力するためにこうした変更となった可能性はある。また発表会に参加した限りでは背景+コース+各種ノートによって魅せるような設計をしていそうとみえたので、ここはコースデザインと新規ノートたちの腕の見せ所だろうか。
繰り返すが、もしこれが開発中の画像だから暫定的に公式のものを借りて差し替えてますっていう話だったらここまでの話は読み飛ばしてほしい。
オリジナルの演出を使用する音ゲーは他に『シンクロニカ』があるが、あちらも2019年10月からオフライン稼働に移行している。
ユーザー的には公式MVがそのまま流れた方がウケが良いのだろうか。
私もカラオケでは本人映像やアニメ映像が流れる曲ばっかり選んでるけど……
続けて、『③ストーリーモード』。
ここまで賛否両論と言いつつ"否"の方ばかり強調されてきてしまった気がするが、これに関しては明確に賛否が分かれているのではないだろうか。
私個人としては、楽しみで期待しているところではある。
今まで「リンカ」を始めとしていくつかキャラクターは存在したのだが、すべてプロフィール上の設定に留まり、物語的な展開がほとんど行われなかった。
そのせいで、その設定といえるものも機能しているとは言い難く、持て余している点であるとみられていた。
リンカちゃんの好きな食べ物言える人ってどれくらいいるのだろうか。
そういう経験をしてきたので、今回のストーリーモード実装でキャラが生き生きとした姿を見せてくれることは純粋に楽しみである。今作はキャラクターごとにテーマソングもあるようなので、デザインには気合が入っているものとみられる。
ただ、アドリブの項目でも書いた"ゲーム体験を損なう"ような形での実装は避けてほしいところか。具体的に言うと、1曲プレイが終わるごとにストーリーが都度挟まるような仕様など。
ゲームはゲームで、ストーリーはストーリーで割り切って楽しませてもらえることを期待したい。今の『オンゲキ』は読みたい時にストーリーを閲覧できるしなんならYouTubeで視聴することも可能だが、『SOUND VOLTEX III GRAVITY WARS』(当時)にあったストーリーは(進展がある場合に限るが)プレイの始めと終わりにストーリーが強制的に挟まってくる仕様だったうえに読み返しもできないので、目に焼き付けておく必要があった。『EXCEED GEAR』のHEXA DIVERでも似たような仕様で継続している。どう思うCody
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最後に、『④その他』。
ここも結論から述べるしこれはこの記事全体の結論にもなりうるのだが、『グルーヴコースター ワイワイパーティー!!!!』はまだまだ現役になると思うので手放さないでほしい。
手放すと言っても前作は(今作もだが)ダウンロード専用ゲームなので、○オやブッ○オフに行って買い取りに出すこともできないし、Steamのゲームではないので返品もできないが。
ここまで話してきたのを振り返っていただくと分かるが、今作はだいぶ別ゲーの様相を呈している。"完全新作"の謳い文句に偽りはない。
またこれまでの楽曲がそのまま収録されるとは考えにくい。DLCが増えすぎというのもあるが。
あなたがこれまで購入してきたゲーム本編とDLCはそのまま今後も独自に楽しめるソフトとなると思うので、前作と今作を並行して楽しむようなスタンスが最も理想だと考えている。
家庭版『太鼓の達人』みたいなものと考えてもらえば良い。最新作には入っていないが過去のあの作品には入っている曲を遊びたい……なんてことがドンだーを経験したことのあるグルコス勢にはあったはずである。新作が出てもWii1ばっかりやってました。
太鼓の達人で思い出したが、発表会でも結局サブスクリプションサービスの発表等はなかった。
DLCが増えすぎと書いたが、前作のDLCは1つ1650円で固定、2025年2月現在51パックあるため、(割引は考えないものとして)すべて買い揃えると84150円となる。さらにグルコスのために初めてSwitchを購入したとか、TVモードのためにディスプレイを……ともなれば、その先はあまり考えたくない話である。買い切りというのは利点でもあるが。
『PS5買えるw』がこの手の話の定番オチであったのだが、そろそろProもくっついてきそうだ。Pay Has No Limits. 金額の話もそうなのだが、度重なるDLCの追加によって収録楽曲数が増大、それによって起動時のロード時間がどんどん長くなるという問題も付随してくる。現時点では起動に3~4分かかることもあり、起動のスキにお手洗いに行ったり適当な動画を観たりするくらいの時間がある。
時間の有効活用はできるが、やはり遊びたいのはゲームであり、グルコスである。
他にも問題はいろいろ抱えつつも、これらを併せて解消するためのサービスとして最適かと思われたが、現状発表はない。今後来るかもしれないので、続報があれば待ちたい。
今回のDLCの内容に関しては……皆さん頑張りましょう。
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【まとめ】
いろいろ書いていたら1万字を超えてしまったうえに予期しない徹夜状態になってしまったので、そろそろ結論に入りたい。
まず今作『グルーヴコースター フューチャーパフォーマーズ』に関しては、魅力的な新要素こそありつつも既存のシステムが廃止された点もあり、"完全新作"の名の通り『グルーヴコースター ワイワイパーティー!!!!』続編とか、行き場を失っているアーケード勢/アプリ勢にとって手放しで喜べるものとかではない。
特に人気だったアドリブシステムの廃止、大きく変わるゲームデザイン等も相まって、「グルコスではない」「グルーヴコースターの名前を使っているだけ」と評されてもいるほどである。
加えて、今作の発売に伴い前作も更新が事実上終了するため、今後の更新は今作が必須となる。
しかし、あまりに多い変更点であるがゆえにどのプラットフォームの完全上位互換でもないため、今あるプレイ環境を決して手放すことなく、できれば今作とともに遊んでいけると理想であるように思う。
"ミライ"は"ミライ"として楽しみ、"イマ"は"イマ"として楽しみ、時に"イママデ"も併せて楽しんでいこう。
これが私の結論である。
グルコス勢はそれぞれが通ってきたプラットフォームやバージョンによって考え方がそれぞれ大きく異なるはずなので、しつこいようだがいちグルコスプレイヤーの視点にすぎない点にご留意ください。
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※申し訳ありませんが、本記事の"勝手な添削"はご遠慮ください。
ここ違くね?みたいなのがあれば、こっそりご連絡ください。