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そのトレーニング、”なんの”ため?

2月ですね。NPBプロ野球もキャンプインですね。野球のシーズンの始まりが近くなってきました。

ですが、アマチュア野球はまだオフシーズン。特に、雪国である新潟県はまだまだシーズンインというには程遠いといった感じです。

ここ最近は、各チームでオフシーズンにさまざまなトレーニングを実施している様子をSNSなどで見かけます。ですが、このトレーニングの中には、「なんのためにそれをしているかわかっていない?」で実施しているものもあると予測できるものもあり、そのトレーニングをどのようにスキルに活かすかわかっていない指導者も多そうです。

では、今回はその中でも「スクワット」というメニューについて考えていきたいと思います。

1.スクワットとは

BIC3とも言われるこの種目は、最もポピュラーなトレーニングメニューの1つになります。そういったこともあり、どこの野球チームでも取り入れられている種目になります。

もちろん、私の関わる選手たちにも取り組んでもらっています。

ですが、このスクワットなんのためにやっているか理解している指導者がどれだけいるでしょうか?私は、正直いうとここ数ヶ月でスクワットの意味を知りました。それを皆さんと共有したいと思います。

スクワットとは

簡単に言えば「股関節と膝関節と足関節を同時に曲げて、同時に伸ばす動作」(→これ以降このことを「この動き」と略します。)といえます。そのために必要な筋肉を鍛えるトレーニングと言えます。

さまざまスポーツで「下半身を使え!」というのはほとんどが”この動き”のことを指しています。つまり、地面反力をもらうために”この動き”をしましょうということになります。その時に、より力強く(筋力向上、筋肥大)、よりスピーディー(クイックネス)に、より安定(スタビリティー)してこの動きをできるようにしましょう。というのがスクワットの目的だと私は考えます。

加えて言えば、ジョイントバイジョイントセオリーに則って、可動と安定を使い分ける練習にもなると考えます。この可動と安定という考え方は「分離と共同(動)」とも言いますが、このことを理解しながらトレーニングをしている野球スキル指導者がどれだけいるか…これは、スポーツを行う際も最低限の基本となる考え方ですので、理解しておきましょう。

2.野球のスキルにつなげる

では、”この動き”を野球スキルにつなげるとどうなるでしょうか?考えて見ましょう。

今回は、打撃について考えたいきます。

”この動き”を利用するということは力の根源は地面反力(地面を蹴った際に、地面側から返ってくる力)になります。なので、受ける力のベクトルの向き必ず下から上になることは理解できるでしょうか?地面反力を頭上からもらえる野球選手がいたら教えて欲しいです。絶対にありえないですよね。

もちろん、真下から真上ではなく、ここに股関節の内外旋の動きが入りますので軸足の地面半力が少し投手方向に斜め上方向に出力されることになります(これもシンポジションを正しくコントロールする力が必要になります。)

では、この力をもらった上で起こる筋連鎖考えた時に、最終的にバットのヘッドにこのエネルギーを伝わっていれば良いということになります。

では、この時にどのように筋連鎖が起こるのか考えてみましょう。

まず、構えからタイミングをとりながらいわゆるトップ、私の指導時の言葉だとヒッチ動作時に、軸足でこのスクワットポジション(股関節と膝関節と足関節が曲がった状態→パワーポジションともいう)をとります。

そして、体重移動をする中で軸足のシンポジションが投手方向に傾いたのを感じた後に各関節が伸展動作を起こしながら軸足股関節の位置を投手方向に動かします。軸足のスクワット動作を軸足側の股関節を動かすためにしていることがわかります。加えて、説明するとこの時に踏み込み足が話の股関節が安定していると骨盤の回旋動作の軸になります。この時、安定していないとスウェーが起こり素早い回旋動作が起こりません。

この骨盤の回旋動作が、安定した腰椎周りの筋肉、コア(腹直筋、内外腹斜筋、脊柱起立筋、腹横筋により腹圧をかけ腰椎が安定している状態)によって上半身に伝えられ胸椎の回旋動作につながります。これによりショルダーラインが入れ替わる動作が起こり、これが腕を通じてグリップからバットヘッドに伝わっていく流れになります。

こういった筋の流れでバットを振っていることになります。こう考えると、スクワットというトレーニングをなぜするのかというとこが納得でき、やる意味を選手たちも見出せると思います。こういった説明なしに「とにかくやれ!」というのは指導者として失格です。

3.ここで1つ疑問が…

全てのスポーツで使用する足から得る「地面反力」という力。これは必ず下から来ます(”来ます”という表現が正しいかは定かではありません。)。下から…下から…下から…覚えておいてください。下から来ます。

運動をするとき。力のベクトルは揃えた方が大きくなります。もしくは、反対にふることで安定できれば最大化できます。

下からくるエネルギーをバットヘッドのスイングスピードにつなげるためには、軸足で生んだエネルギーと同じベクトルでバットを使いたい。と考えた時に、最も効率よくバットに伝えるためにスイング軌道とはなんなのか…

それが、「体修塾スイング」になります。指導を受けている選手なら理解できるはず。興味があれば体修塾の個別指導を受けてください。

このことを考えている指導者がいるだろうか?

このことを意識している選手はいるだろうか?

このテキストを読んで、理解できた方は体修塾の指導を受けない理由はないと思います。

4.最後に…ストレングスをスキルにつなげる

当たり前のことを実施している体修塾ですが、この「ストレングスをスキルにつなげる」ということができる指導者が少なすぎるのが日本の野球界です。これは、チームなどでも、ストレングスを担当するトレーナーとスキルを指導する指導者・コーチが違う人物で、かつ、しっかりコミュニケーションを取れていないことが原因だと考えています。もっと言えば、もう少しスキルコーチがストレングスを学ぶ必要があるかと思います。

ここが、トレーナーとしても仕事をさせていただいてる自分という指導者の差別化につながるところだと考えています。そこで、トレーナーとして学びつつ野球のスキルにどう活かすかずっと考えています。

この生活で学んだ知識が今の指導に生きています。この知識をもった野球指導者が新潟県内に存在するでしょうか…私はしないと考えています。

このオフシーズン、少しでも興味を持っていただいた方は行動を起こしてください。後悔はさせない自信があります。よろしくお願いいたします。

5.解説動画

今回の内容を解説動画にして、掲載しておきます。より詳しく知りたい方はご覧ください。よろしくお願いします。

動画2本

回旋のメカニズム

地面反力を使おう!

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