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ウォーミングアップを考える。
日本野球=ウォーミングアップが全員一緒
プロのキャンプなどでも見かける風景なので日本野球ではアマチュアからトップ野球までみんな一緒のアップをしていることになると思います。(もちろん、プロやシーズン中などは各自で調整をしてからグラウンドにでてきていると思います。)
当たり前ですが、全ての選手が身体のつくりが違います。コンディションも違います。体力も違います。モチベーションも違います。
この現状を受けても、全員同じウォーミングアップで良いわけがないことは理解できます。では、なぜウォーミングアップをみんなで同じことをするのでしょうか?
1.ウォーミングアップが同じ理由
考えられる理由は、
・団結力
・協調性
・拘束力
を高めるためだと思われます(私はよくわからないのであくまで予想です)。
みんなに同じアップを課している指導者のみなさんいかがでしょうか?
では、ウォーミングアップの主目的が
・パフォーマンスアップ
・怪我予防
にあるとした場合に、団結力・協調性・拘束力を持たせるために主目的が蔑ろにしてもいいのでしょうか?
体修塾BCAとしての答えはNOです。
では、どのようにアップをすればいいのでしょうか?体修塾BCAでの実例を紹介したいと思います。
2.ある中学生の場合「個別指導」
ある中学生は、個別指導を何回も受けに来てくれている選手です。
スキルもとても高く、チームでもレギュラーです。
個別指導でも、身体の使い方の重要性について毎回、時間をかけて伝えてきました。その成果もあり、スキルも上がってきているのですが、それ以上に思考レベルが高くなってきています。
そんな時に、投球に関する個別指導をした際に「ボールを投げなくても投球は良くなる」という主旨のもと、色々なメニューを体験してもらいました。内容は簡単にいえば、ストレッチやチューブを使った運動、スタビリティートレーニングやモーターコントロールなどです。
3.ある中学生の場合「ラプソード計測【投球マネジメント】」
今年の夏休み中にラプソードで計測しつつ、「投球マネジメント」を一緒に考えました。
FBは?どのような回転軸なのか?
変化球は何にするのか?変化系?無回転系?
変化球の回転軸は?回転数は?球速は?
それをもとに「選択と集中」←これができていない選手が多い
課題を明確にして、何にに取り組んでいくのか確認しました。
※投球マネジメントとは
その投手がどのような投手になりたいか決めること。打者に対してどのような投球をしたいのか、現状のスキルはどうなのか、データ計測を元に分析することです。投球マネジメントを正しくできる指導者はとても少ないですし、正しいデータがないと正しくマネジメントできません。その結果、選手自身が自分がどのような投手なのか?どのような投手になりたいのか?を一緒に考えていく必要があります。指導者の理想としてる投手になることでも、試合をつくるために駒作りでもないことは理解してください。
4.その流れで試合前の流れを聞いてみると…
投球マネジメントの話の中で、試合前ウォームアップの話になりました。
その話では、毎回汗だくで球数もかなり投げてから試合に入っているとのことでした。先発である彼が、試合中の球数を意識するのは当たり前ですが、試合前の球数にも意識をむけるように伝えました。
これは、すべての指導者にも言えます。近年、試合中の球数を数えたり制限をかける大会などもありますが、試合前球数に意識を向けている指導者や選手は少ないです。
その指導日以降、彼自身がしっかり考えて、試合前のCBやブルペンなどでの球数をなるべく制限し、「ボールを投げなくても投球は良くなる」メニューを試合前こなしてくれているようです。
なので、彼は試合前アップを全体とは別に行っているようです。(→おそらく、他の選手は同じアップをしていると思います。)チームも、彼の自主性を尊重し、かつエースということもあり、自由アップをみとめているのでしょうか?とても良い傾向です。日本の野球チームは管理が好きですが、このように指導者の想像を超えた選手に対して「何も言えなくなる。」傾向があります。そこをついて、フリーパスをゲットしたそうです。
体修塾BCAの選手たちは、打撃の「フリーパス」やアップの「フリーパス」をゲットすることで、従来型のチームであっても思考を続けられる環境を自分でゲットしている選手が多いようです。頼もしい限りです。
5.選手自身が思考できる環境を野球界に…
今回は、ウォームアップの話を中心にしましたが、野球界は全体的に「管理」しすぎる傾向がある。
・アップはみんな一緒
・打撃もみんな一緒
・投球もみんな一緒
・守備もみんな一緒
・髪型も一緒
・服装も一緒
これでは思考能力が身につきません。
思考能力の低い選手が、将来的に指導者になったら…と想像すると恐ろしい限りです(→おそらく現状がそういった状態)。そんな悪循環を体修塾BCAは止めたいと考えています。
そのためにも、チーム運営者(→監督)は選手の思考を潰さないようにしてほしいです。体修塾BCA選手が、指導者から嫌味を言われながら実力を示した後にフリーパスをゲットするのでなく、あらかじめ「フリーパス」のあるチームが増えることを望んでいます。
このことが、野球人口減少やさまざまな問題を解決する方向に向かう一歩になると考えます。
6.最後に
最後に、ここ数ヶ月選手を指導していて気づいたことは、
「(自分のことを、自分で)思考できる選手が少なすぎる。」
指導者側が「考えろ!」と言ったところで考え方すらわからない選手が多すぎるし、考える材料も持っていない選手が多すぎる。
指導者は、まず考え方と考える材料を選手に与え続ける必要があると思います。体修塾BCAでは、そこを最重要視しています。
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