20201223
冬なのに空気が軽くて、オレンジの日差しがぼんやりと窓から入っていた
冬なのに柔らかい風が手にそっとささやく
冬なのに窓が開いている カーテンはゆらゆらと動いている
そして私は赤いソファーの上で寝ていた
…おかしい 赤いソファーなんて持っていないのに
寝返りをうつとそこには見知らぬ男性が
顔はどこかで見たことがあるかもしれない
でも、きっと縁遠い世界の人
その人も同じ赤いソファーの上で寝ていた
しかも互い顔を…向けたまま
私はこの人を知っているが、その人は私を知らない
けど
同じ空間にいて
近くで寝ている人がいて
それが近くになればなるほど
肌が暖かくて、顔がむずがゆくなって…
夢…
目が覚めたら ベッドの上で寝ていた
私は天井を見上げて、ため息
久しぶりに現実味のある夢を見た
冬。だから、日差しも世界も白くて濁る
冬。だから、空気は寒く肌は強張る
冬。だから、風は窓にさえぎられている
でもなぜだろう
なんでだろう
不思議と体はポカポカとしていた