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ゴミの城〜008~雨ニモマケズ、風ニモマケズ

これまでのお話

 二ヶ月ぶりに実家に行った。仕事を変え、ふいに休みが出来たことで逆にだらけてしまい、家に引きこもるようになってしまった。そうなると実家に行きづらくなりズルズルと月日が経ってしまった。ダラダラと過ごしたせいで体調も悪くなり、精神的にも様々な面において気力を失ってしまった。

 これではいけないと、兄にメールをして「お昼ごろに行きます」と伝えたのだが、当日は朝から頭痛に悩まされ翌日に延期してもらうことに
「おかあさん、明後日は医者だよ。ワクチンの三回目を打ちに行く」との事で「それなら車で送っていく」と約束をして早朝に家を出た。

 久しぶりに会う母は幸い変わった様子は見受けられなかったが、僕の
「大丈夫、元気?」の問いに「うん」と小声で答え、続けて弟の話題をしたのだが「お兄さんに子供が産まれた」と答えた。弟の子供は一人っ子で、まだ大学生の女の子だし、もしかしたら奥さんの方に兄が居るのかと思い、再度訪ねたのだが
「お兄さんに子供が産まれたのよ」と返答。無理に聞き出しても良くないと思い、話題を変えた。

「西村京太郎、亡くなったでしょ?」
 母は推理小説が好きで「内田康夫」「山村美紗」「西村京太郎」「横山秀夫」さんたちの本をよく読んでいた。その影響で僕も殆どの作品を読んでいたから、西村さんの訃報はとてもショックだった。母は
「うん、西村京太郎も読んだけど、いま、もらった漫画を読んでいるよ」
と、答えた。それは僕が読みやすいかと思い、母に内田康夫さんの「浅見光彦シリーズの漫画」を10冊くらい年末に渡しておいた物だ。とりあえず母となんとなく話が通じたので、ほっとした。

 後ほど兄に「弟の奥さんにお兄さんって居るの?」と聞いたが、彼女は妹さんしか居ないとのことだった。

 実家で久しぶりにゴミの整理をするが、相変わらずネズミの形跡がある。殺鼠剤でも死ないし、ネズミ捕りのシートでもダメ。ちょっと別の方法を考えないといけない。

ネズミのかじった跡

 歳を重ね、体の能力は劣り、容姿も変わる。朝起きると二日酔いでもないのに体がだるく、あちこちが痛い。テレビのテロップなどはボヤケて見えず、爪を切るのにもわざわざ眼鏡をかける。訃報のニュースにとらわれて更に気を滅入らせる。映画を観て現実から逃避する。おそらくここがポイントなのだろう。悪い方向へと舵が進んでいる。ちょっと踏ん張らないと負けてしまう。とりあえず筋トレを再開しよう。

動画をご覧になりたい方は~こちらから

続く 〜009~ ゴミ屋敷は家の中より外が大変!


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