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想像できる事は実現されるのです。

「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」

何処かで聞いたことがある言葉だと思い調べたら、どうやらこれは『海底二万里』『八十日世界一周』『十五少年漂流記』などで知られるSF作家のジュール・ヴェルヌの言葉のようだ。 

ジュール・ヴェルヌと聞いて「なるほど、実現できるのか……」と思ってしまった。彼の作品は子供の頃、何冊か読んだことがあるし、映画化された作品も見ている。百年以上前に書かれたにもかかわらず、予想外の展開で、まさに心を躍らせるストーリーだった。その方の言葉だと思うと妙に説得力がある。

小学生の頃、学研の『学習』と『科学』という雑誌を定期購読で読んでいた。内容は教科書みたいな感じで『学習』は国語とかだったかな? 『科学』の方は理科系の内容で面白い付録が付いていた。僕はどちらかというと『学習』より『科学』の方が好きだった。たしか、それに載っていたと思うのだけど「未来の予想」みたいな記事があって、未来に実現される物の特集が組まれていた。

その記事が小学何年生の時かも忘れたが、その中の『リニアモーターカー』と『レーザーディスク』は、何故か今も覚えている。磁力を利用してとても早く走る電車、リニアモーターカー。七色に光るレコードのような物で映画を観られるようになるレーザーディスク。

とても信じられなかった。当時の僕からしたら、レコードから音が出るだけでも不思議なのに、レコードが七色に光って映像も出るなんて……。リニアモーターカーの方も磁力を利用して高速で走るなんて意味がわからない。

リニアモーターカーは間もなく完成するようだが、悲しい事にレーザーディスクは既に過去の物となっている。

近年、インターネットとスマートフォンの普及で、世界は物凄く変わった。知りたい事をいつでも知る事が出来て、何処にいても人と繋がる。世界がすぐ隣になった。道に迷ってもアプリを使えば道案内をしてくれる。アメリカだろうか南極だろうがリアルタイムで見る事も出来るし、ポンとスマホに触れれば何時だろうと何処にいようとも商品を購入出来て、翌日には品物が届く。 

スマホが一台あればゲームも買い物も出来て、映画やドラマも観られる。調べ物も出来るし、ニュースだってリアルタイムで伝わってくる。生活が劇的に変わったのだ。歴史で習った『産業革命』並だ。もろんその影響で消えていく産業もある。

これから先の未来はどうなっていくのだろう? 

ネットショッピングの普及で店舗はどうなるのだろう? 車は自動運転化されるのだろうか? 高齢化社会の先には? AIとロボットは暴走して人間社会を脅かすのだろうか?

想像してみよう。

音声アシスタントは声質や性別、性格まで多様化して選択出来るようになるので一人でも寂しくないし、アドバイスもしてくれるし、商品を注文してくれる。

ヴァーチャルリアリティーの世界が進化して、家の中にヴァーチャルで友人を呼べたり、ヴァーチャルで商品を見ながら買い物したり。それこそ、お互い家に居るのだが、ヴァーチャルで恋人と遊園地でデートをして、ヴァーチャルでレストランの食事を注文。ヴァーチャルのショッピングモールに寄って買い物をしてから、自宅にご招待。

病気なんか病院に行くと、スゥーと何か体に良いレーザーを浴びれば、病気を発見して、そのまま治療が出来るようになる。

家に居ながらある程度の娯楽を楽しめるようになるので、エンターテインメントの世界は更に進化をする。歴史ある施設に行けば、過去を体感できたり。それこそ恐竜や絶滅した動物の動物園があったり。図書館のようなところに行けば、本の中に入れる感覚が味わえる。サスペンスや推理物ならドキドキしたり、一緒に現場で推理をしたり。冒険物なら八十日で世界を一周して、海底を探検したりと。  

未来は僕の手の中にあった。

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