ゴミの城〜021～どうすればゴミを捨てられるのか？
父親が遺したゴミ屋敷を少しずつ片付けていて、その様子をYou Tubeに載せているのですが、動画を視聴して下さっている方からコメントを頂くことがあります。
ゴミ掃除は心が折れることが多く、頂いたお言葉に励まされ実家へと向かうのですが、コメントの中でも同じようにゴミを少しずつ片付けていらっしゃる方が多く、コメントを拝見する度に「大変だろうな……」と想像しています。
捨てると怒るゴミの処理は？
父親がゴミを溜めるようになったのは、父が仕事を辞めてからだと思います。近所で取り壊すことになった団地などから物を拾ってきたり、人から不要な物を貰ったり、リサイクルショップから安く買ってきたり。
現在は父親が亡くなり、躊躇なく物を捨てていますが、父親の生前にゴミを片付けようと二度ほど挑戦したことがあります。一度目は二階の母親の部屋から初めました。仕事終わりなどに実家へ寄って母親の部屋を片付ける。母親の部屋と言っても昔、僕や同じように結婚をして家を出た弟が使っていた部屋なので、その頃の物がかなりあり、自分の物や要らなそうな弟の物を殆んど捨ててしまい、父親の物も少しありましたが、使わなそうな物は父親に確認することもなく捨てていき、数日で片付いたのですが、隣のベランダが物だらけで洗濯物を干すスペースが少しだけ残されているのみで、屋根にも水草が入った大きな水槽やプランターなどに入った植物が所狭しに並べれていました。
父親に捨てて良い物を聞いてから捨てていたのですが、掃除を始めて何度目かに母親に言われました。
父が僕が帰った後にゴミ袋を開けて中から物を取り出している
父はゴミ袋を開けて、丸めて捨ててあった紙を取り出して綺麗に伸ばして取っておいたり、あきらかに使わない物を取り出していたのです。それを聞いて腹が立ち父親に苦言を言ったところ、言い合いになり「もう、やんない！ これを捨てるのには何百万もかかるからね！」と言い残して撤退。しばらく実家に寄らず。
二度目にチャレンジしたのはその数年後、母親が認知症気味になり「二階の部屋で寝泊まりは危ないから一階を綺麗にするからね」と父に話して片付けることに。そのときも基本的に父に捨てて良い物を聞いてから作業をしていたのですが、聞いたところで答えは決まっているのです。殆んどの物に対して
「それは使うんだよ」と答える
ので、ある程度は勝手に捨てて
ゴミ袋に詰めた物を車で家に持ち帰っていた
のですが、次に実家に行くと「おい、○○はどうした？」と聞いてくるので
「必要なら今度、新しい物を買ってくるよ」と対応
幸いそれを言うと父は諦めたので助かりましたが、それでも掃除を続けていくにつれてゴミの多さに家に持ち帰れなくなり、だんだんと実家にゴミ袋が溜まっていくと、兄から聞かされるのは前回と同様に父がゴミ袋を開けているとのこと。なるべく父を怒らせないように続けていきましたが、父が亡くなる直前、体調が悪いというのに
ゴミ袋が置いてあるところまで這って行って、ゴミ袋を開けて中から物を取り出していた
と兄に聞かされたときに
「……これは『もったいない』とか『ケチだから』とかという理由で物が捨てられないのではなくて、精神的なものなのだ。……これは、どうしようもない」
と痛感しました。そんなことがあったので現在、御両親が健在でゴミを捨てていらっしゃる方は特に大変だろうと想像します。
ゴミを片付けるコツ
父が亡くなってからは、実家に行ってどんどん物を捨てていったのですが、友人に
「古くても売れる物もあるよ」
と聞いてからは、なるべく売れそうな物は取っておいてフリマアプリに出したり、リサイクルショップに持っていったりしています。最初の頃は売れそうもないと思い、色んな物を捨てていましたが
「こんな物が売れるんだ」
と思うことも多く、物を捨てる前は調べてから捨てる方が良いです。
父が失くなってから実家に住んでいるのは母と兄です。前途のとおり母は高齢で認知症気味で状況をよく理解していないような感じで、兄はというと中学の頃から引きこもりとなっています。母がしっかりしていた頃は、まだ家の中でも綺麗にしている部分もあったのですが、いかんせん勝手に捨てると父が怒るので物を捨てられず物が増えていき、気がつけばゴミ屋敷になってしまったので、父が亡くなったのですから兄が綺麗にすれば良いと思うのですが、僕が実家を片付けていても手を貸すわけでもなく、僕が出したゴミをゴミの日に捨てなかったりもするので
「汚いでしょ。ネズミもいるし、片付けなよ。病気になるよ」
と言って怒ったこともあったのですが
僕から見たら「汚い」と思うことも、兄から見たら普通なのです
ゴミ屋敷で育ってきたので、この状況が当たり前なのだろうと気づいてからは兄に対して、あまり腹も立たなくなりました。現在は母の介護で特に大変だろうと思います。
ゴミが減らないとやる気が湧かない
ゴミを袋に詰めても家に置きっぱなしでは話にならず、友人が大きめな車を持っていたので溜まったゴミ袋は友人に頼んで一緒に回収に行ってもらったりしていました。
写真や動画を撮り始める
最初のうちは手順を考えて作業をしていましたが、簡単に捨てられる物が無くなってくると思い通りにいかないことが多くなってきました。やる気も失くなっていったので、動画を撮り始めるようになりました。動画を撮って過去の映像を見ると、実家が綺麗になっているのがわかり、それをYou Tubeにアップすると有り難いことに視聴して頂き、アドバイスや励ましの言葉まで頂いたりとやる気が続きました。
それでも庭のゴミの片付けは心が折れました。庭にあったのは大きくて燃えないゴミばかりで困りました。そんなときにYou Tubeを見た方から
「鉄は売れます」
とコメントで教えて頂き、今まで捨てていた鉄を廃材屋さんに持って行ったらお金になり、モチベーションが復活。その後、何度かやる気を失くしたり取り戻したり。
ペンキを塗ったりと修繕をしてみる
ゴミも減ってくると家の朽ちている様がよくわかります。物が多く湿気やネズミなどの被害で床や壁に穴が空いていたり、屋根が錆びていたりと家がボロボロになっていました。修繕する知識もスキルもないですがネットで調べて作業をすると気分転換にもなるので良いです。
思い通りにいかないことが多いので、実家に行ってからやることを決める。疲れたら一時間くらいしか作業をしていなくても帰る。
去年の年末に母親が転んで硬膜下血腫というものができて手術をして入院、数カ月ぶりに退院した姿を見て、また心が折れましたが兄が介護をしているので、なんとか実家へ。実家へ行くと兄が買い物に行く間を母を診ているのですが、ほぼ無反応でよく分からないことを呟く姿を目の辺りにすると生きる意味などを考えるようになる。
母が亡くなったら兄は仕事もしていないので、実家を綺麗にしたところで売る羽目になるかも……。片付ける意味はあるのか？
そのこともあるし、最近は体調を壊し「重い病気かも……」と思っていて、モチベーションが失くなっていたので、また少しずつ作業をしています。少しずつだと、やった気がしないけれど
今日、ゴミ袋を１つ捨てた。今日はゴミ袋１つ分が綺麗になっている。
と思えば救われるので。
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