ゴミの城〜017~石碑の前の照れた顔~実家の写真の処遇
これまでのお話
物心ついた時には家にカメラがあった。そのカメラは家族で旅行へ行くときや、僕たち兄弟が幼稚園や学校に入学する時などに父親が使っていた。
父は決まって「そこに立て」と、僕らを学校の入口やお寺の石碑の隣などに立たせるのだ。あらためてそんな写真をいま見てみると僕はいつも照れくさそうな顔をしていた。もちろん、ちゃんと理由がある。入り口というものは、たいてい人が入ってくるものだ。知らない人の視線を浴びながら大人のような背広を着させられた僕はいつも恥ずかしくて父が早くシャ