変身

夜の波打ちを上手く歩けないように
光が射さない時間は 恐ろしく
少しだけ 許されてる気がした

砂浜で目指したのは 孤高の灯台
その目に映るには 夜の海へ
たった1人 漕ぎ出す必要があった

全て飲み込んで 高らかに叫んでくれ
海も空も境目がわからない今
星に手が届くのは今だけだ

壊れた花瓶を 一生懸命もとに戻そうとする
綺麗な花を差す 純度の高い水を注ぐ
隙間から逃げようとする 居心地の悪さに
もう僕は見ていられなくなる

不安定な球の上 落ちない不幸は
諦められない悲しみと 少しだけ似ていた

全てを捨てて 強く存在しててくれ
何も成し遂げないで 他人と変わらない人でいて
変わらず求めるから


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