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韓国宗教の融合(越境)とエンタメの中の宗教
韓国の宗教文化には、外来宗教や新たな価値観から刺激を受け、信仰が生まれるケースや、複数の信仰が混じり合う現象が見られます。巫俗(シャーマニズム)、仏教、キリスト教、道教などが互いに影響を与え合いながら習合するダイナミズムは、韓国の宗教空間の特徴といえます。韓国の宗教文化の特徴は何かといわれれば、「多元的に色々な宗教が存在する」と言えます。
民間信仰と宗教の習合
韓国の寺院には「七星堂」や「山神閣」が併設されていることがあります。これらは道教と民間信仰が習合した代表的な例で、北斗七星を神格化した七星信仰や、山を神聖視する山神信仰が見られます。このような習合は、仏教が朝鮮半島に伝来する以前から存在していた信仰に起源を持っています。
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また、西洋から伝わったキリスト教も、韓国の伝統的な祈福信仰(安寧や疾病解消、長寿・豊かさを祈る信仰)や巫俗の要素と融合しました。具体的には、鬼神論や通声祈祷、聖霊踊り、異言(未知の言語を話す現象)など、儀礼や儀式の面での親和性が挙げられます。一神教のメシアニズムも、朝鮮半島に古くから存在する「救世主信仰」と結びつき、新たな宗教を生み出しました。
救世主信仰と東学の誕生
朝鮮半島では、三国時代から「真人(救世主)が現れ、社会の混乱を収めて民衆を導く」という信仰が存在しました。仏教では弥勒菩薩が救世主とされ、弥勒信仰が広がりました。また、朝鮮時代の政治的・社会的混乱期には、「終末に救世主が現れる」という予言書『鄭鑑録』が流布し、これが民衆の反乱や動乱を引き起こす要因となることもありました。
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こうした背景の中で、西洋からのキリスト教や学問の影響を受けて誕生したのが、崔済愚(1824-1864)が創唱した東学です。東学は、儒教、仏教、道教、民間信仰を越境的に取り入れた教義を持ち、後に「天道教」として発展しました。東学を中心とする近代史は、ドラマ『緑豆の花』にも描かれており、韓国の新宗教(民族宗教)の端緒となりました。
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エンタメの中の宗教表現
韓国のドラマや映画には、宗教やスピリチュアルな要素が頻繁に登場します。これにより、外国人には見えにくい韓国の宗教文化がエンタメを通じて垣間見えます。以下にいくつかの例を挙げます。
巫俗人や霊媒師
『結界の男』や『憑依』『謗法』では、巫俗人が物語の中心として登場します。
『破墓』では、風水師、巫俗人、仏僧、クリスチャンの葬儀屋が共演するユニークな構成が見られます。
キリスト教の司祭とエクソシズム
『プリースト 悪魔を葬る者』では、カトリック司祭が悪魔退治に挑む姿が描かれます。
ドラマ『客-ザ・ゲスト』では、鬼神(悪霊)が見える霊媒師、エクソシストのカトリック司祭、女刑事がタッグを組みます。
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一神教と多神教の融合
『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』には、死神や妖怪、産神、鬼神といった霊的存在に加え、唯一神のような絶対神も登場します。
死生観とスピリチュアルな題材
『明日』『もうすぐ死にます』などの作品では、死生観や自死問題をテーマに、韓国人の価値観が描かれます。
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複雑な宗教文化をエンタメで理解する
韓国のドラマや映画には、宗教人や信仰者の日常が頻繁に描かれています。これらの作品はすべてフィクションではあるものの、スピリチュアルな越境や宗教文化の多様性を視覚的に理解する助けとなります。複雑で豊かな韓国の宗教文化は、エンターテインメントを通じてより身近に感じられるでしょう。