自然災害に抗うのではなく、共生する道めざす取り組み
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途上国での機器運用ノウハウなどを含む技術や知識の移転を行い、効果的な雷害対策を実現することをめざす
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★今日は共創の時代・・・サスティナビリティ(82)
<音羽電機工業株式会社>
1946年に京都市東山区五条坂にて創業、1955年に株式会社に改組。主な事業内容は、電力会社、通信会社、鉄道会社、官公庁、民間企業を対象に、避雷器、耐雷トランス、雷サージプロテクター、避雷設備の設計・施工・保守・管理、また、雷害対策に関するコンサルティングを実施している。2000年に本社を兵庫県尼崎市に移転。資本金8190万円、従業員数274名の中堅製造メーカーだ。
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同社は、日本唯一の雷対策専門メーカーで、鉄道、空港設備、重要文化財、医療施設、通信施設などで使用する各種避雷器、電子応用機器の開発、製造、販売を手がけている。雷の被害から電気設備・機器を守る技術の向上に向けて、2008年に国内唯一の雷研究施設である雷テクノロジーセンターを兵庫県尼崎市に開設。世界最大級の雷発生機をはじめ、国内唯一の誘導雷を再現できる試験設備を保有している。
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国内で雷による年間の被害総額は約2000億円以上と言われている。
現代社会では、さまざまな機器がネットワークでつながっており、雷によって被災するリスクが高まっていまる。そのための雷対策が重要で、同社の雷テクノロジーセンターでは、自然現象である雷を再現できる様々な試験設備を備え、また、センター内に国内唯一の模擬住宅で、家屋に浸入する誘導雷の検証を行っている。また、雷テクノロジーセンターは、学生や技術者などの来館者にも開放しており、雷対策に関する情報発信も積極的に行っている。
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★ 2代目の現社長は、雷のことを知るにつれ、雷は敵ではなく共生すべきものだと考えるようになったそうだ。雷が地面に落ちると、土地がイオン化して肥沃になる。日本は農業国として、昔から自然との共生を大切にしてきたが、雷もその一部。敵と捉えて雷を無くす研究を行うのではなく、うまくかわす方法を探そう=これが同社の掲げる「免雷」という考え方だ。 この考え方をもとに、今はアメリカやヨーロッパ、インドでも取引が増え、中東では、脱石油が課題となる中、「免雷」をキーワードにビジネスを展開しているようだ。
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◆ アフリカは、雷が最も多い地域のひとつで、社会や人々が甚大な雷被害を受けており、被害が深刻な国々からのインターンシップを受け入れ、継続して雷対策ができる人材の育成に取り組んでいる。 開発途上国において、雷害対策の製品を販売している外国企業は存在しているが、その運用に関する知識移転までは十分に行われておらず、開発途上国側で、避雷器の適切な管理が行われていないという実情がある。そこで、同社では製品の販売に加え、現地での機器運用ノウハウなどを含む技術や知識の移転を行い、効果的な雷害対策を実現することを目指し、先行してアフリカ諸国に進出している外国企業に対する競争優位性を発揮する実践的な戦略をとっている。
また、JICAとのパートナーシップのもと、途上国の持続的な開発目標(SDGs)に取り組んでおり、JICA-SDGsパートナーに認定されている。
❤ 兵庫県では、「地域創生戦略」のもと、世界に飛躍する中小企業の創出支援に取り組みの一環として、平成28年度より、優れた技術や製品を有し 国内外で高い評価やシェアを得ている企業を「ひょうごオンリーワン企業」として認定・顕彰している。同社は初回の平成28年に認定に続き、令和3年度にも2度目の認定を受けた。
自然災害に抗うのではなく、共生する道めざす「免雷」というキーワードはしっくりとくる。
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時代の変化を捉え
これからの生き方を
考えてみよう!
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◎音羽電機工業株式会社 コーポレートサイト
https://www.otowadenki.co.jp/
◎令和3年度ひょうごオンリーワン企業 レポ
https://web.pref.hyogo.lg.jp/sr07/onlyone/documents/otowadenkikougyou_1.pdf
◎鷹の爪団のODAマンが行く!~アフリカのICT発展にもODAの巻~ 外務省
https://youtu.be/2IeblBdTjK4
◎「鷹の爪団の 行け!ODAマン」 ページ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/press/event/page22_001008.html