CSV視点は、対等な立場のビジネスを実現する
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アフリカの夜間交通安全対策に自社製品を活用、その延長のビジネス活動
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★今日は共創の時代・・・サスティナビリティ(104)
<辻プラスチック株式会社>
1968年に熱硬化性樹脂のプレス成形を行う辻プラスチック製作所として創業。1988年に現社名に変更・改組。滋賀県東近江市に本社を置き、プラスチック成形、産業機械用カバー製造、太陽電池アプリケーション設計・製造を行う、資本金1000万円、従業員数31名の製造業だ。
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同社は、太陽電池と電気二重層コンデンサーを利用した環境負荷の少ない全天候型ソーラー電源システムを開発し、社会の安全確保のための「道路鋲型LEDライト」を提供している。同社の製品は環境に優しく、寿命が長く、メンテナンスフリーで、道路や駐車場の安全確保に利用されている。
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近年高い経済成長率で発展するアフリカの国々では、都市人口の急速な増加とモータリゼーションにより交通事故が急増し、事故による働き手の損失が、地域経済や家庭内貧困を誘発する原因となっている。特に深刻な事故が発生する夜間の交通事故対策に同社製品である自発光道路鋲は、夜間になると自動的に発光することにより、停止線や交差点、また区画線を遠くの位置から視認でき、夜間の交通安全対策に非常に有効な対策となった。
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★ ある時、ケニアから大使館経由の依頼で、弊社の道路鋲のサンプルを送ったところ、「第6回アフリカ開発会議」(TICAD Ⅵ)にて安全対策のプレゼンテーションをして欲しいと、国土交通省からオファーが来た。まさか現地にニーズがあるとは思わなかったが、せっかくケニアまで来たのだからと現地の道路公団に道路鋲を売り込んでみたところ、そのままODAで機材を供与することになったそうだ。
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◆ その後、JICAの中小企業海外展開支援事業「自発光道路鋲を活用した夜間の交通安全対策にかかる案件化調査」に採択され、タンザニアで調査を行ったが、中国が作った道路に日本の道路鋲を埋めるのは政治的にかなり難しく、また、工事を担当する現地のビジネスパートナー選びも難航。そんな時、現地の人たちから「道路よりもまず私たちの家に電気をつけてくれ」と懇願され、自社技術で電気や水の問題を解決できるのではないかと閃いた。
❤ 現在はセネガル、ニジェール、ブルキナファソなどでソーラー充電器や浄水器など自社製品のサブスクリプションビジネスを展開している。
アフリカの貧しい国では電気インフラが整備されておらず、無電化地域では、太陽光でつくった電気をバッテリーに蓄電し、バッテリーから充電して家電製品を使う。しかし、バッテリーは高価なので、貧しい人々は買うことができない。そこで、太陽光でつくった電気を家電製品に充電できるバッテリーの無いソーラー充電器を開発した。
この充電器は月額いくらと決めて、キオスクのオーナー(もしくは村長など)に貸し出す。充電器の販売、月額使用料の回収・修理・メンテナンスなどは現地パートナーに任せる。キオスクオーナーはこの充電器を使い地元の人に充電サービスを提供する。充電サービス料金はオーナーたちの自由で、オーナーにとってもすぐに利益が出るくらいの月額使用料だ。
・・・CSR視点での支援は期限と資金に限りがあり、支援する側とされる側が対等では無い・・・しかし、CSV視点であれば対等な立場でビジネスができる。 同社は、そんな思いに駆られているのかも知れない。
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時代の変化を捉え
これからの生き方を
考えてみよう!
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◎辻プラスチック株式会社 コーポレートサイト
http://www.tsuji-pla.co.jp/
◎アフリカ人留学生がビジネスのかけはしに
https://www.jica.go.jp/Resource/kansai/topics/2021/210409_01.html
◎自社の技術でアフリカの人々の電気と水の課題を解決する
https://www.prex-hrd.or.jp/prex_island/6445/