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人間にしかできないクリエイティブな作業に集中できる世界の創造



すべての惑星上のすべての人々に、ロボット革命の恩恵を授ける


★今日は共創の時代・・・サスティナビリティ(166)

<Telexistence>テレイグジスタンス株式会社
 2017年に、舘暲(たち すすむ)東大名誉教授、元三菱商事の富岡仁氏、元ソニーの佐野元紀氏らにより設立され、ロボットの設計・製造・オペレーションを行うことを目的として、テレイグジスタンス(遠隔存在感)技術・VR・通信・クラウド・ハプティクス※、そしてAIを活用した新たな市場を創出し、次の世代の資産となる事業とテクノロジーを残すことをビジョンとした、ロボティクスイノベーターだ。

※ハプティクス(haptics:触覚技術)とは、デジタル空間における触覚での体験を実現する技術です。ユーザーに力や振動、動きなどを与えることで「実際にモノに触れているような感触」をフィードバックする技術。

同社の社名である、テレイグジスタンス(telexistence、遠隔臨場感、遠隔存在感)とは、バーチャルリアリティの一分野で、遠隔地にある物(あるいは人)があたかも近くにあるかのように感じながら、操作などをリアルタイムに行う環境を構築する技術のことで、この技術を応用し、人間が行く事が困難な場所での危険作業が出来るものとして期待され、惑星へも人間が直接行って開発するのではなく、地球にいながらテレイグジスタンスの技術を使って開発する事が可能であると考えられている。(wikipedia)

同社は、この技術を商用ベースとして具現化したサービスを提供している。
2020年7月には、小売業界向け遠隔操作ロボット「Model-T」を発表し、「ローソン東京ポートシティ竹芝店」に導入。翌年の2021年11月には、小売業界向け人工知能・遠隔操作ロボット「TX SCARA」を発表し、「ファミリーマート経済産業省店」に導入。2022年8月には、「TX SCARA」のファミリーマート300店舗への導入を開始しするなど、人工知能による自動制御と人間の知能による遠隔操作技術の組み合わせにより、小売店舗内での商品陳列業務を代替するロボットとして、店舗オペレーションを省人化、効率化する。

TX SCARA

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★ 創業者の一人である、舘暲(たち すすむ)氏は、1946年に東京で生まれ、東京大学工学部計数工学科を卒業し、通商産業省工業技術院機械技術研究所の研究員を務め、1980年に同氏によって「TELEXISTENCE」が提唱された。その後様々な現場でバーチャルリアリティの研究を続け、2009年に東京大学名誉教授。日本バーチャルリアリティ学会初代会長。計測自動制御学会第46期会長。日本ロボット学会設立発起人。2017年にテレイグジスタンス株式会社を創立し、会長に就任した。

舘暲(たち すすむ)氏

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◆ 同社は、ロボティクススタートアップで、すべての「身体性を伴う単純労働」をロボットに置き換え、人間が「人間にしかできないクリエイティブな作業」に集中できる世界の創造をめざしている。 同社のビジョンは、「すべての惑星上のすべての人々に、ロボット革命の恩恵を授ける」ことであり、また「人口減少とそれに伴う労働力不足」という社会課題に対し、実労働力として働くロボットを提供することで解決を目指している。 技術面では、ロボットの設計・製造・運用を一貫して自社で行い、場所を選ばずにどこでも導入可能なロボットを開発することを特徴として、AIと遠隔操作技術を組み合わせることで、これまでロボットの導入が難しかった業界にも労働力の提供を可能にした。

2023年7月には、シリーズBラウンドにおいて、Monoful Venture Partners、KDDI Open Innovation Fund、Airbus Ventures、ソフトバンクグループ、Foxconn、Globis Capital Partnersを引受先とした約230億円の資金調達を実施し、これにより累積調達額は275億円を超えた。

❤ 舘暲氏は、1975年から「盲導犬ロボット」の研究をしていた。
同氏は、犬が好きで、小さいときから飼っていた。大学に入って機械のことを勉強するようになってからも、人間が犬と心をかよわせられるように、人間と機械のコミュニケーションができるようにならないだろうかと、漠然と考えていた大学二年のある夜、ふとスイッチを入れたラジオから『サイバネティクスはいかにして生まれたか』という本の朗読が流れてきた。「サイバネティクス」とは、人間をはじめとする自然界の動きを数学や物理学から説明したり、逆に機械の動かし方の原理を人間や動物の動きにヒントを得て考えたりする学問で、「朗読が終わったとき、雷にうたれたような感じがした」と述懐している。生物や人間と数学や物理学をむすぶ研究があったのだという衝撃を受けた。

1977年から本格的な研究を始め、その年の夏には一号機のメルドッグ・マークIが完成した。その後も試作機を作り続け、メルドッグの基本的な機能を確認したが、多くの困難を伴ったが、情熱は強くなるばかりだった。1981年にマークⅢが完成し、1983年にはメルドッグ・マークⅣが完成し、この年には、皇太子ご夫妻や外国からの訪問者など、多くの人々が研究所を訪れ、メルドッグに対する期待を寄せ、盲導犬ロボットの研究における重要な一歩となった。

メルドッグ・マークI
メルドッグ・マークⅣ

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時代の変化を捉え
これからの生き方を
考えてみよう!

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◎Telexistence コーポレートサイト
https://tx-inc.com/ja/top/
◎動画での同社沿革
https://youtu.be/HLdM6no7F34?si=lx34p7LE7370NRcb
◎2020年小売業界向け遠隔操作ロボット「Model-T」
https://youtu.be/ReM6RDxg7-0?si=ges39nerUTStNgEs
◎2021年小売業界向け人工知能・遠隔操作ロボット「TX SCARA」
https://youtu.be/vbtj2v3ch8E?si=VC7BMjT4zAMTwQY0
◎2022年「TX SCARA」のファミリーマート300店舗導入を開始
https://youtu.be/f37ItpAXdag?si=oCefKp4_VUUwJ_kP
◎「盲導犬ロボット」の概念の提唱と工学的実現可能性の実証
https://tachilab.org/jp/projects/guide-dog-robot.html

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