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日本に自衛隊がいてよかった~自衛隊の東日本大震災



”誰かのために”
被災、使命、決断、団結、の4章からなる 最も頼もしい集団の戦いの記録


★今日の学びー自衛隊に感謝

<日本に自衛隊がいてよかった>
 筆者の桜林美佐氏は、あとがき、でこう語っている。
 本書は、3月24日から『夕刊フジ』で連載した「誰かのために東日本大震災と自衛隊」を再構成し、新たに自衛隊と日本の危機について第二部を加筆したものです。 自衛隊の活動を知らせなければという気持ちで連載をスタートしましたが、同時に、どこかで活動している自衛官の目に触れれば少しでも激励になるのではないか、家族か読めば、安心してくれるのではないか・・・・・・・、そんな思いで毎日、書き続けました。 自衛隊のことを全く知らなかった、縁がなかった方にも、その活動の一部である災害派遣の真実について知って頂ければ幸いです。 全ての自衛隊員と関係する人々に敬意を表し、そしてこの「誰かのために」執筆を支えて下さった皆さまに心から感謝申し上げます。 


 目をつむると、目の当たりにした遺体の残像が浮かんでくる。それは阪神・淡路大震災の時も同じだった。
 当時、若かった隊員が、現在は曹長などリーダーになっており、その経験からか、誰が命令したわけでもないのに、夜は5~6人の作業部隊が車座になるのだという。
 つらかった光景、ひどく悲しかったことなど、黙々と作業をし続けたその日の全てのことを声にして吐き出し、そして泣く。やがて、明日も任務を精一杯やろうと誓い合って、一日を終えるのである。(はじめに・・・より)

<福島原発所長が涙した言葉>
 福島第1原発対処をめぐって、陸上自衛隊隊員の問では、ちょっとしたモメ事が起きた。
 「ダメです班長!」
 通常、消防車は3人で乗り込むが、いざ突っ込むことになったとき、被曝量を最小限にするために2人で突入することになったのだ。
 「オレが行く」という班長に、あとの若い2入が語気を強めて言った、
 「独身者の自分たちが行きます。何かあったら奥さんに合わせる顔がありません!」
新婚の班長に対し、初めて意見を具申した。
 「独身は将来があるんだから行くな」
そう家族持ちが言えば、「家族持ちこそ、守るべき人がいるんだから行っちゃいけない」と反論する。そんなやり取りが繰り返された。
 そのうちに、「もう希望をとるのはやめてください『行け!』と言ってください」と多くの隊員が言い出した。

<前方に浮遊物!ご遺体と思われる>
 「妊婦さんのご遺体を収容したんです。かわいそうで……」
その若い海上自衛隊隊員は、ショックを隠せず、ずっとそのことを口にしては声を話まらせた。
 ランドセルを背負ったままの子供の遺体を発見して、涙が止まらない隊員もいた。
 「ぶんご」艦上には多い時で7柱の遺体が安置された。隊員が手作りで設置した祭壇に線香がたかれ、果物やご飯が供えられる。その後、ヘリコプターで遺体安置所に運ばれるが、ヘリが飛び立つときは、全員が甲板に集まり、敬礼して見送った。

 震災直後に陸幕長と被災地を回った時には、変わり果てた街の光景に全く言葉が出なかった。そこは、懐かしい故郷であり、また思い出深いかつての勤務地でもあったのだ。
 沈黙したまま、しかし平静を装い1日を過ごし、夜遅く、官舎に戻り服を着替えた時に、どっと涙が溢れ止まらなくなった。
 それから数カ月が経ち、妻と息子との久しぶりの団欒で杯を交わしながら、「もし、実家が津波に流されていたら」どうしたか話題になった。
 「きっと、陸幕長に嘘を言って仕事を続けていただろうな……」
 遠慮がちに心中を打ち明けると、そんなこと言わなくても分かってる、そう言いたげに家族は頷いていたという。
 幕僚として、部隊指揮官として、泥まみれになって活動する隊員として………あらゆる立場での任務を全うした災害派遭だった。そして、覚悟を決めているのは、自衛官本人だけではない。妻も子も親も、意識は少しも劣らないのだ。
 あえて言葉にしなくても、自衛隊と彼らを支える家族や企業に「誰かのために」という思いが息づいている。私は、そういうことをごく自然にできるみんなのことを、心からカッコイイと思った。(はじめに・・・より)


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★ 命をかけて国を守る事を誓う唯一無二の国家公務員。
どれだけ感謝しても足りない
<宣誓文>
“私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行に当たり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。”

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❤ 読み始めて数ページで、涙が溢れ胸が打ち震えました。
3.11以降のノンフクション。
国難にあって、凄まじいほどの使命感で働き続ける自衛隊。
理屈なしに彼らを誇りに思う。
本当に日本に自衛隊がいてよかった。

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◎ウルトラの奇跡-自衛隊編-(東日本大震災)
https://youtu.be/wXxU0r_V-zk?si=H817FUgoJnGUk5Ik
◎感謝の手紙
https://youtu.be/pSSFn_ybwzg?si=cSQdUmfFVCykO3xK

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