用を足す 〜トイレのピクトグラム①〜
本屋をぶらぶらうろついていると、なんだかトイレに行きたくなるものだ。
トイレはどのフロアーにあるのかな。上の階か。あぁあの通路の奥だな。男女のシルエットが尿意に迫られた僕をトイレに導いてくれる。
このピクトグラムは今や世界各地で見られ。言葉が分からなくてもトイレに駆け込むことができる。旅先でもっともお世話になるピクトグラムと言っても過言ではない。
このデザインが世界に広まるきっかけとなったのは1964年の東京オリンピック。オリンピックは世界各国から日本語や英語がわからない人々が多く訪れる。彼らが困らないために日本のクリエーターがひねり出した。原案はかの有名なデザイナー田中一光氏とのことだ。
このピクトグラムをみて何の疑問もなくトイレだと思うのは実は不思議である。これはただのワンピースの女性とズボンの男性の図である。便器でもなく、排泄物でもなく、排泄行為でもない。
一度でもこれを知識としてトイレであることを覚えてしまえば、実にわかりやすく、素晴らしい発明だ。ただ本当に初めてこの図を見た利用者がこれだけでトイレだと本当にわかったかどうかは今となっては確認できない。これだけ社会に浸透していれば大体みんな知っている。
生まれて始めてお出かけする子供なんかに聞いてみたい。「これ何の絵だかわかる?」