見出し画像

イギリスで風邪・インフルになるということ

ここ最近、寮でもどこでも、風邪やインフルのウイルスが飛び回っているのを身をもって実感することが増えてきた。それは本当に、あたかもそこにウイルスがいるのではないかと思うくらい、負のオーラ、病原体のオーラを持っている人々の多さである。

去年の11月ごろの謎のインフル大流行の際に、私は英で初のインフルに襲われたのだが、その際は日本から持参していた葛根湯とカロナール、喉の炎症の薬を併用の可否を気にせずに使用して寝込んで治った。なにせ、学生ビザを持っているとはいえイギリスの医療機関や医療システムそのものに命はおろか、身一つすら預ける気はないため常に自力で治すしかないのだ。GP (かかりつけ医)の登録すらできているのか分からない。どのみち医者に行っても「ああ風邪だ」「ああインフルだ」と言われるのがオチなので、信じるのは自分の免疫と日本の薬なのだ。

しかし今回、約1週間前から風邪に襲われ、日本の薬が切れていたためしぶしぶと、そして恐る恐る現地で薬を購入した。少し下調べをしたのちに、喉の痛みを噛み締めながら、絶望的な距離の坂を下りやっと中心地に辿り着いた。

お湯に溶かすタイプの薬

今回購入したのはLemsipという解熱風邪薬であり、イギリスで風邪薬といえばこれといった商品だ。主成分は、パラセタモール(日本でいうアセトアミノフェン、カロナール)とフェニレフリン塩酸塩という炎症を抑えるような成分である。何がすごいかというと、日本で一般的なカロナールに含まれるアセトアミノフェン量が200mg であるところ、この商品には3倍の600mg が贅沢にも配合されているのだ。面白いのは、インフル向けにも作られているということである。日本で市販されている薬で、大々的に「インフルに効く」と書かれているものを見たことがないため、「これは効きそうだ」と勝手に期待していた。

また、熱が上がった時のためにと熱さまシートも購入した(まさかのKOBAYASHI 製薬の商品だった)。それまでは熱が出たらキッチンペーパーに水を染み込ませて絞り、冷凍庫で冷やすと言う新手の手法で熱さまシートもどきを自作していた。

Lemsip だが、実際に効果は絶大だった。お湯に溶かして飲む薬で、レモンと甘い味がして、口に苦くない良薬であった。喉の痛みがすっかり消えさり体のだるさも改善された。

だがだ、完治していないにも関わらず、ジムにせっせと足を運んだり、授業があったりと何かと落ち着きのない回復期を過ごしたせいか、いまだに鼻水だけ残っている。

ついこの間のことだった。同じ寮のローカル中国人と韓国人とキッチンで遭遇し、それぞれ料理をしていた時のことだった。一人は窒息しそうなほど咳をしていて、もう一人はそこら辺に転がっていたキッチンペーパーで鼻をかんでいた。あまりにも悲惨だったので苦笑いしながら「お前ら風邪か?」と聞くと二人は Yeah をかろうじて搾り出したので「俺もだ」と言うと、「もはや誰がどこからもらってきているのかはわからない。ウイルスはそこらじゅうにいる」とローカル中国人が言っていた。

そう、The virus is everywhere

もっと悲惨なことに、ここまで風邪・インフルになってもなかなかマスクをしないのだ。恐ろしやイギリス人。



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集