名古屋フィルハーモニー交響楽団 第519回定期演奏会
日時:2024年1月20日(土) 日本特殊陶業市民会館フォレストホール
会場:15:00
開演:16:00
終演:18:10
・演奏:名古屋フィルハーモニー交響楽団
・指揮:杉山洋
・ピアノ:阪田知樹*
【ロビーコンサート】
・矢口十詩子(Vn)
・石橋直子(Vla)
・アイリス・レゲブ(Vc)
・佐渡谷綾子(Cb)
・チクタク・ポルカ(J.シュトラウスⅡ世/???)
・リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲より
第1曲「イタリアーナ」(O.レスピーギ/???)
・春の声(J.シュトラウスⅡ世/???)
~追悼演奏~
・リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲より
第3曲「シチリアーナ」(O.レスピーギ/???)
【曲目】
・水の鏡—ピアノと管弦楽のための*(坂田直樹)世界初演
・左手のためのピアノ協奏曲*(M.ラヴェル)
~ソリストアンコール~
・3つのチーク県の民謡(B.バルトーク)
—休憩20分—
・組曲「鳥」(O.レスピーギ)
第1曲「前奏曲」
第2曲「鳩」
第3曲「牝鶏」
第4曲「夜鶯」
第5曲「郭公」
・バレエ組曲「火の鳥」【1919年版】(I.ストラヴィンスキー)
第1曲「序奏」
第2曲「火の鳥の踊り」
第3曲「火の鳥のヴァリエーション」
第4曲「王女たちのロンド」
第5曲「カスチェイ王の魔の踊り」
第6曲「子守唄」
第7曲「終曲」
坂田直樹さんの新作「水の鏡」を目当てに名古屋フィルの定期演奏会へ足を運びました(もちろん、他のプログラミングも魅力的ですが)
ロビーコンサートは新年の幕開けということで、シュトラウスⅡ世の2作品を。チクタク・ポルカの最後で、ステージマネージャー3名がウッドブロックを叩いて歌って下さいました。毎公演、演奏者の皆さんが気持ちよく奏でられるように舞台を準備して下さり本当に感謝です。楽しかった!
冒頭、能登半島地震の被災者への追悼で、レスピーギの作品が演奏されました。心よりお見舞い申し上げます。
坂田さんの新作。プログラムノートに、「私は儚いものに強く惹かれる傾向がある」と書かれており、「水」と「儚さ」と言えば・・と下記の文章を載せられていました。
この言葉が、作品を支配されているかなと感じました。ピアノ・パートの書法は、雅楽やガムランなどの音楽から得た着想を応用されているそうです。ダイナミクスの変化、音の長さ、単音・重音の音の厚み・・そこから紡がれる音色の変化が坂田が表現されたかった”水の音”ではないかと感じられました。ソリストの技巧の極致のような作品ではなく、ピアノがオーケストラというパレットの上で、どのように色彩が移ろいゆくのか・・とても美しい作品でした。
続いて、ラヴェルの協奏曲。協奏曲が2作品続くというのは自分としては初。ピアニストの阪田さん、熱量が尋常ではないです。
アンコールは、バルトークの作品。前日の金曜日はベリオの作品を演奏されたようです。
阪田知樹さんは、三井住友海上しらかわホールで2/29(木)にリサイタルを開かれます。
「https://shirakawa-hall.com/schedule/event/20240229/」
これが、しらかわホール最後の公演になります。興味がありましたら足を運ばれては如何でしょうか?
休憩の挟み、後半はレスピーギの組曲「鳥」で幕開け。本作品を初めて拝聴したのは高校1年生の時だったかな?
作曲家の福島弘和さんがHPをお持ちの頃、あまり知られていないクラシック作品を紹介するコラムがあり、そちらで本作を知りました。
古楽に造詣が深い方なら、引用されている作品が分かるでしょう。浅学なため、作品の全容を熟知しておりませんが、リュートと同じく、遥か昔の異国に誘われます。
最後に、ストラヴィンスキーの火の鳥。メリハリのある演奏で、お客様に「ここがクライマックス!」と分かるような演奏で、惹きこまれました。演奏終了後、ブラボーが聞こえました。
お客様を一切飽きさせない演奏で、公演から2週間以上経過した今でも忘れられません。坂田直樹さんの新作に立ち会わせて頂いたのは今回で2回目。3回目は、今年11/15(金)、16(土)に名古屋フィル第528回定期演奏会になるかなと思います。新しい作品が生み出された瞬間に立ち会わせて頂けるのは、幸せなことです。
~蛇足~
開場した時、ホワイエで坂田直樹さんを見かけましたが、恐れ多くてお声掛けできませんでした(笑)
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