NSO -Nagoya Shostakovich Orchestra- 第5回定期演奏会

日時:2024年3月6日(日) 日本特殊陶業市民会館フォレストホール
会場:14:30
開演:15:00
終演:17:05

・演奏:NSO -Nagoya Shostakovich Orchestra-
・指揮:和田一樹

【曲目】

・交響曲第9番(D.ショスタコーヴィチ)
 第1楽章「Allegro」
 第2楽章「Moderato - Adagio」
 第3楽章「Presto」
 第4楽章「Largo」
 第5楽章「Allegretto」

—休憩20分—

・交響曲第4番(D.ショスタコーヴィチ)
 第1楽章「Allegretto poco Moderato - Presto」
 第2楽章「Moderato con moto scherzo」
 第3楽章「Largo - Allegro」

~アンコール~
・交響曲第7番「レニングラード」(D.ショスタコーヴィチ)
 第4楽章「Allegro non troppo」

そろそろ年度末、中高大の吹奏楽団が定期演奏会を開催する時期ということで、愛知県内限定で、足を運べる範囲のホールのHPをチェックしてところ、本公演に出会いました。

「ショスタコーヴィチの交響曲全制覇」

という、とてつもない目標を掲げ、全国からショスタコーヴィチ愛好家(いわゆるタコ狂)が集い、5年前に結成されました。これまでに・・
・第1回定期演奏会:11番、12番(2020年3月8日)
・第2回定期演奏会:6番、8番(2021年2月23日)
・第3回定期演奏会:14番、5番、交響詩「十月革命」(2022年3月21日)
・第4回敵演奏会:13番、15番(2023年3月18日)
と、年1回で公演を開催されてきました。プロオケでもハードルが高いプログラミングですね・・。

本公演は、ショスタコーヴィチの問題作である4番と9番が演奏されました。この2作品が並ぶ公演を無料で拝聴できるとは贅沢すぎます。

まずは9番。名だたる作曲家が9番には特別な思いを込めて作曲されてきたはず。ソヴィエト当局から、4管編成で合唱と独唱を用いてスターリンを称える作品をと依頼されたにもかかわらず、25分ほどの室内交響曲を発表し当局と聴衆から総スカンを食らった作品です。3~5楽章は続けて演奏されますので、3楽章形式の交響曲と見ることもできると考えられます。
古典音楽を思わせるような作風ではありますが、やはりそこはショスタコーヴィチ。色彩豊かな世界が広がります。
ファゴット奏者の演奏が印象に残りました。素晴らしい音色と演奏でした。

続いて4番。フルート6本。1楽章では打楽器9名が活躍する超巨大編成。オットー・クレンペラーが演奏旅行の際に、フルート奏者を揃えるのが難しいから「フルート編成をなんとか減らしてもらえないか」とショスタコーヴィチに打診したところ、「ペンで書かれたものは、斧でも消せません」と返答というエピソードがあったんですね。

全楽章、弱音で終わるというのもショスタコーヴィチの作品からすると異彩を放っているかなと感じます。1楽章のPrestoで打楽器奏者が畳み掛けるような演奏には惹かれました。鬼演と表現するのが相応しいかと感じます。

4番もそうでしたが、力任せの演奏ではなく細部までこだわりぬいた演奏でした。アマチュアならではの傷も多少ありましたが、そんなことは感じさせない素晴らしい演奏でした。
(エキストラにプロ奏者の方も乗っていたそうです)

アンコールで、レニングラードの終楽章を全員で演奏!
ロジェストヴェンスキーも腰を抜かすほどの爆音で楽しかったです。やはりショスタコーヴィチは爆音に限ります(ぇ

今回初めて当楽団の公演に足を運びましたが、第1回から足を運びたかった・・というのが正直な思い。残すところ、後半分というところまで来ましたが、可能な限り当楽団を追いかけていきたいです。地元愛知県で、このような素晴らしい目標を掲げた楽団があることを誇りに思います(何様だw)

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