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元祖高崎パスタ「シャンゴ」がなぜ人気なのか

シャンゴに初めて行ってきた。

シャンゴは昭和42年創業の老舗のパスタ屋さん。高崎はパスタで有名らしい。その高崎発のパスタ屋さんの伊勢崎店にファミリーで訪問。

テレビなどで群馬のグルメではよく出てくる。実家に帰省した際に初訪問。

結論、想像以上に美味しかった。これはリピートしたい。ただ、何が美味しかったのか、なぜリピートしたいのかをしっかり言語化しておくこと。

自分の体験を編集して経験化し、引き出しにストックすることで血肉となる。シャンゴ訪問で仰々しいが、普段からこの習慣を持っておくこと。体験を思い出だけにしておくのはもったいない。

内装は少し高級感がある。絵であったり、天井の高さなど世界観を演出している。天井が高いので、入り口から店内に入った際に空間が広がる感覚がある。

中に入るだけでも非日常感があるので、ワクワク感を設計している。こういうのは子供も喜ぶのでファミリーにも選ばれる理由になる。13:30過ぎというランチとしては少し遅くいタイミングだが、次々にお客さんが訪れる。

僕が食べたのは「シャンゴ風」という定番メニュー。僕はいつも初めて訪問するお店では、そのお店の定番メニューを食べる。今回もそのルールに則り、「シャンゴ風」を迷わず注文。

シャンゴ風はトンカツが乗ったボリューミーなパスタ。Mサイズ(200g)で1,080円。定番メニューなだけあって安定感が凄い。「シャンゴが何か知りたいなら、とりあえずこれ食べてけ」と勧められる。

シャンゴ風が運ばれてきた瞬間、そのボリュームを感じることができた。ボリュームってやっぱり大事な要素で、いくら美味しくてもファーストインプレッションが「少なっ!」となったら満足度の天井は下がる。

シャンゴはボリュームが多く、かつ美味しいので、めちゃくちゃコスパ高い。パスタのメニューは20種類くらいあったのではないか。ファミリーはそれぞれ別のものを注文していたがどれもクオリティが高く美味しそうであった。

分かりやすく言うならば、シャンゴはサイゼリアのアップグレード版だろう。

サイゼリアは価格が安いが味としては良くも悪くもその価格に見合っている。学生が行く場所としては良い。僕も大学時代はお世話になっていた。

社会人としてお金を得るようになると、700円で家でも再現できる中途半端なものを食べるより、1,500円で自宅では食べれないクオリティのあるものを食べたいニーズも出てくる。

だけど価格的に敷居の高いお店には行けないし、というファミリーに選ばれるのがシャンゴのポジショニングだ。兎にも角にも行きやすい。

そして誰か圏外からゲストが来た際に、どこでも食べれるサイゼリアは外される。そこに「群馬と言えばパスタ有名だよね」に対して「パスタ食べたいならシャンゴ行く?」に選ばれるようになっている。

あとは「群馬のローカル飯」というアイコンを獲得したのはデカい。つまりソウルフードになっている。これが人気店である所以。

群馬に旅行に来る人に、「シャンゴは群馬だけしか食べれない」という購買口実を作っている。

フォカッチャも注文。焼き立てて来るので熱くてちぎれない。これもチーズとローズマリーの香りが抜群に美味しい。香りって凄く大事。

シャンゴは現在8店舗あるらしい。群馬県だけでしか食べれないので、さわやかハンバーグ戦略で希少価値を高めている。意図的に群馬内での限られた店舗だけに収めている。

シャンゴが全国展開されたら一時的には売上は上がるが、中長期的には売上は下がるだろう。

Amazonに出品したらOne of themに成り下がるように、食品系のECはブランディングのチャネルとしては適さない。

京都のまいこはんひーひーのようにAmazonでは買えない制限をかけることで、「せっかくだから京都に行った際に買おう!」となる。

Amazonで買えるならば"せっかくだから"は発生しない。"いつでも買えない"ことで、いま買う購買口実を作る。人間はいつもお金を使う理由(口実)を欲しがっている。それを設計している。

いつでも食べれるものをいま食べる人はいない。希少価値を持たせる×老舗の歴史で「いま食べる」を設計している。

どこでも食べれる時代になったこらこそ、「ここでしか食べれない」を保っているシャンゴ。これが選ばれる所以だろう。地元の人からも群馬の誇りとして愛されているのでこれも強い。

しっかり冷凍のお土産も準備しているので、ギフトとしてもしっかりキャッシュポイントを作っている。

群馬マラソンなどで友人を群馬に案内する場合には是非「群馬メシ」として組み込みたい。群馬県には18歳までしか住んでいないが、「群馬出身なんだから良いお店知ってるでしょ」という期待値があるだろう。

オシャレで美味しいお店より、ローカル感、群馬に来た感を感じてもらう方が満足度が高まることは間違いない。シャンゴは群馬のソウルフードとしてぜひ推薦したいお店との出会いだった。

以下、シャンゴが人気な理由をメモしておく。

1.群馬のソウルフードとしてのアイコン獲得
2.店舗展開を抑えることでの購買口実の設計
3.少しの贅沢感の演出
4.ボリュームだけでなく味も確かなクオリティ
5.群馬県民の誇りとしてのグルメ
6.昭和42年創業の歴史
7.高崎パスタという知名度のあるカテゴリ
8.メディアにも積極的に出てブランディング
9.ゲストのおもてなしに丁度良い
10.Amazonで買えない

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