エッグボーイ!!
これは、空想上の友達、イマジナリーフレンドを現実に召喚するまでの物語_____
空想上の友達は、幼い自分が作り上げた虚像。
現実を覆い被せて見えなくしてくれる自己防衛の化身。
幼い時は、いっぱいいた気がする、全然思い出せないが、アニメのキャラクターと空想上の友達が力を合わせて悪を倒すといったシナリオを眠れない夜などに思い描いていた。
高校生の時、メモ帳に落書きをした。
絵を描くのは好きだ、何も考えないでただひたすらに筆を走らせるのはとても気持ちいい。
適当に描いたキャラクター、生まれたきっかけはそんな些細なこと。
彼、エッグボーイは生まれたのだ。
……産卵である。
エッグボーイ、彼は大声を出しすぎてひび割れてしまった愉快な卵の男の子。
ガールフレンドの玉子を連れて歩いてる。
出会いは、とてもシンプルで愛されキャラのエッグボーイは、度々自分の夢に現れた。
真夜中に月に照らされ爛々と光る丸い何かの大群、それは軍を率いて迫ってくる。段々、瞳がそれらを正確にとらえる。
それは、おびただしい数のハンプティ・ダンプディの大群。一体一体個性豊かな顔をしており人間の様に見えなくもなかった。そして目の前まで迫ってきて止まることなく自分は押し潰されて死んでしまうのだ。呆気なくピチューンと。
この夢はいつも卵に押し潰されて、肉片になってフッと粉々になって目が覚める。
悪夢ではないと思う。
そしてあれよあれよと、専門学生になった。
本気になったらオーハラの学生としてデザインを学ぶのだ!高校生の時は、就活に失敗したので学生のつづきをする。
ここでは、Webデザインとグラフィックデザインを主に学んだ。
デザインにはツールが必要で、自分は初めてAdobeIllustratorを触った。これがあればなんでも作れる!描けると本気で思った。
そして、記憶の片隅にも居なかったアイツがまた姿を現すこととなる。
彼だ。アナログからデジタルへとアップデートをし、Macの画面に現れた。
時にクラスメイトに嫌悪され、時にクラスメイトに寵愛を受けた罪作りな、たまごだ。
彼がイマジナリーだった時よりだいぶ進化を遂げていたと思う。彼の成長は自身の成長を現すのだ。彼は、自分にとっての階段で彼を思い描くことによってより成長を出来ると確信した。
そして、自分は、彼にとってどんな存在であるべきなのかと考えると答えは明確であった。
我は創造主であり、彼は創造物である。
彼に新たな進化を促すことにしたのだ、そのきかいが訪れたのがフラッグのデザインである。
六本木のフラッグコンテスト、テーマは「Re」である。
思いつくのはバルスが死を繰り返すファンタジーアニメだけだったが、なんとか作り上げた。
題名は「Re pop」
ネット・ゲームやラノベで「モンスターが特定のエリアに再び出現する」ということを表す。それを「Re」として解釈した。
倒しても倒しても現れる、敵。あの夢のようなものとして想像して創造した。
彼は、惜しくも賞などは取れなかったが少なくとも現実の三次元である六本木には召喚されたのだ。
彼、伝説になったのだ。
寵愛を受けたクラスメイトの中では…。
まあ何が言いたかったかと言いますと、
・イマジナリーフレンドはいいぞ
・落書きでも作品になるんやで
あと迷言を残したい。黒歴史になるであろうそんな言葉を。
「人類皆、頭に子宮を、心に陰茎を生やしている。想像したものを産み落として、母となり。心臓に熱い思いを宿し勃起して父となる。私達人類は、創造をやめられずに母としている。私達は、産み落とされた創造に興奮し、また想像を孕むのだ。」
2022.10.30
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