大人になるということ
学生の頃は、なぜか根拠のない自信があって、「早く大人になりたい。」と思っていました。
大人になればなんでも好きなことができて、自分が思うままの生活を送れる…なんて淡い夢を見ていました。
でも実際に大人になると、壁にぶつかるばかりで、自分の無能さを知ることが増え、自分には特別なものが何もないということがわかりました。
根拠のない自信の蓋を開けてみると、中身はそれはそれはスッカスカで、からっぽだったのです。
それを知ってから、あの頃の自信たっぷりだった自分はいなくなり、何にも興味を持てなくなりました。好きだったことすら嫌いになり、毎日苦しくて苦しくて。
自分の生きてきたこれまでの人生を悔やむようになり、そればかりか自分の存在すらも否定してしまうようになっていきました。
「自分にしかできないこと」が何一つなくて、生きている意味がないと思えました。
きっと周りの人からも、使えないやつと思われているんだろうな…などと、人からどう思われているかいつも気になっていました。
できないことに直面するたび、なんで周りの人はできているのに自分にはできないのだろう?と、自分が大嫌いになり、死ぬ勇気はないけど、消えてしまいたいなーなんて考えるようになりました。
そんな日々を過ごしているうちに、自分に期待しすぎてしまっていた分だけ、自分に失望していたんだなと気付きました。
勝手に過剰に期待して、勝手に無駄に落ち込んで、なんて無駄なことしていたんだろう?って。なんだか全てがバカバカしく思えてきました。
そして今、私は自分や周りに期待しないことと、生きているだけでがんばっているんだと思うことを大切に生きています。
するととても生きることが楽になりました。
失敗しても恥かいても、全部全部「まぁいいや」で済ましてしまえるようになりました。
他の人からすれば、なんて甘い考えなんだと笑われることでしょう。
でもこんな私にだって愛してくれる人たちが少なからずいます。
その人たちは、私がどんな姿であろうと消えないでと思ってくれていると思います。
私が自分を愛してくれている人に対して思っているように。
だから、生きているだけでいい、私は日々頑張っている。そう思うことで自分を肯定しています。
こう思い始めてから、楽に生きられています。明日も生きていけます。
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