内腔から肥厚した血管
患者会に非会員で参加した女性が居た
フィアンセと一緒に来ていて、どなたが患者さん?と聞いたら
お父さんだという
60代のお父さんが最近もやもや病と診断されたので、どんな病気かと勉強に来たと言われた
大人発症で、子どもの時から今まで特に気になる症状はなかったと
もやもや病は小児と成人の発症がある
成人発症は子どもの頃なにも症状が出ていなくて、30代とかに発症する場合とそういえば子どもの頃にも脱力したことがあったとか頭痛があったとか、でも回数が少なくて病院に行くこともなく大人になった、という場合もある
そのほかに、家族発症の例もなく60代70代に突然もやもや血管が写っていると言うことでもやもや病と診断されることがある
これはもしかしたら生活習慣病によるもやもや血管の出現ということもありえるのだと、先生の講演で聴いた
もやもや病は、太い血管が内腔から肥厚するという、血管の内側から、なぜだかわからないけれど、厚くなっていき、血液の通りが悪くなっていく、最後には閉塞して血流が遮られる
これが、動脈硬化ということになると血液が流れているところに老廃物がたまっていき血液の通りが悪くなる
こうして血管が詰まった場合にも、それを補うためにもやもや血管が写真に写るようになる
それでもやもや病という診断になる
この60代以降の患者さんのもやもや病が本当にもやもや病なのかどうかは、その患者さんが亡くなったときに血管の解剖をしてみてはじめて動脈硬化から来たのか、内腔から肥厚した血管でもやもや病なのかということになる
けれど、実際にそんなことを観たりはしないから・・・
家族発症がなく、子どもの頃からその症状がなかった場合、病気としての勉強をして知る必要があるにしても、フィアンセの両親家族にこのお父さんの病気がもやもや病であるというように認めない方が良いのではないかと
なぜなら、親や兄姉がもやもや病であることを理由に離婚された人たちが案外いる
自分の病気ならいざ知らず、親の病気をもしかしたら12%ぐらいの確立にしろ遺伝性も考えられるとなればもしかしたら結婚に差し支えるかもしれない
お父さんが生活習慣病からくるものだということにして、フィアンセも来ているけれど、そう理解することをお話しして帰られた
遺伝子解析ということがどの病気にも研究されるようになって
もやもや病も先生方が研究されている
1つの話としては、この病気は1万5千年前にアジア圏で発生した病気らしい
遺伝性は、12%ぐらい
血液検査で、その遺伝子が見つかるけれど、見つかったからといってみんなが発症するわけではなく、今まで考えられていたように体質遺伝的な発症でしかないというので今のところの考えのようだ
遺伝子と、環境因子がどういう具合にかそろってしまったときに発症するということ
遺伝子の研究解明の前には、糖尿病体質とかガン家系とか言われるように体質遺伝的なものと考えれば良いだろうと言うことだった
遺伝子の解明で、治療法が見つかると良いと、期待する旨も多いけれど、遺伝子の解明のあとどのくらい掛かって治療とか予防とか出来るのか、何十年先の話かわからないけれど
これも研究班が存続されて、その中で先生方が頑張って下さることでしかない
病気によっては遺伝がわかっていて
親の介護をしながら50%の確率で自分も同じ病気になるかもしれないと恐れているような難病もあるようで、心が痛む
そんなことが解明されることの善し悪しを思わずに居られない
2016.10.