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LTspice & EXCELでOFDM信号のためのアナログ回路を評価してみる
LTspice上でデジタル変調波を扱うのは簡単ではありません。特にOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)波はLTspice上で信号源を作るのも大変です。以下の記事では8波のOFDM波で試してみましたが、あまり自由度がありませんでした。
https://note.com/tonto_inc/n/n8e7683f5da97
今回はLTspice上でランダム信号を送信できるOFDM信号源をサブサーキット回路として準備し、アナログ回路を評価してみます。
LTspice上でOFDM信号を体験することによりOFDM信号の特性を理解できると思います。
また、私の経験ですがLTspice上でOFDM復調ができるとデコーダ部分と切り離してアナログ部分単独で設計できるので開発スピードが上がります。
■OFDM信号サブサーキットの作成
デジタル変調の場合、データを入力しないといけません。しかし、いちいち手入力するのは大変なので、ランダムデータを初期データとして設定して使いたいと思います。
OFDM信号の仕様
①多重波は32個
多重波用搬送波の個数は自由に設定できるのが理想ですがハード構成だと簡単にはできないのでサブサーキットでは固定とします。
②データはランダムデータで4パターン
32ビットのランダムデータは4パターンあり、データ自体はWindowsの「Copilot」で作成してもらいました。
③変調の種類はBPSKとQPSK
サブサーキットを二個使いで16QAMにも対応します。
サブサーキットのブロック
基本構成はランダムパターンと32波から構成されているsin波とcos波の発生回路から成り立っています。
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サブサーキットの端子説明
P1:パターン1
P2:パターン2
P3:パターン3
P4:パターン4
V1:BPSKベースのOFDM出力
V2:QPSKベースのOFDM出力
M1:設定されたパターン(sin)
M2:設定されたパターン(cos)
ベースバンドOFDMの回路図
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上図は回路(全体回路は添付ファイルを参照)の一部で左側はデータの4パターン「P1,P2,P3,P4」を設定、右側のBV電源で32個のサイン波を合成することによりOFDM波を構成します。真ん中のロジックは設定したデータをLTspice上で確認するためのモニター回路なのでなくても動作には影響しません。
サブサーキットの使い方
今回作成したサブサーキットはベースバンドOFDM回路にテキストベースで搬送波を追加した「OFDM32.LIB」「OFDM32.asy」で「.LIBコマンド」で関連付けて使います。
ここでは以下のような同じ場所のフォルダに3個のファイルを置いて検証しています。
C:....\sample
→testOFDM.asc、OFDM32.LIB、OFDM32.asy
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