いつか泣けますように #恋人を喪った安田短歌
夕焼けがうつくしい夏のことあの日泣けなかったフラッシュバック
やわらかに恋をしてたと知らなくてきみが溶けていったあつい夜
ささやかにつづく関係あまえたに名付けないまま消えてしまった
さよならが音にならずに溶けていく言えればよかった 言えばよかった
夜だけで愛さなくてもいいからさ あのワンコールはもう鳴らない
恋なんてしなくていいと嘯いたいつかのきみをよく思い出す
ねえきみの嫌いなものと好きなもの知らないのにあの声だけが
好きだとかそんなんじゃない温もりを死にたくなくて捨てたい夜も
きみのこと多分なんにも知らなくてそんなことが今更悲しい
愛だとか難しいことわからずにかなしかなしとそれだけ残る
好意にも似た感情の行き先知らぬまま 遠く日々続いてく
恋なんて知らずにいてときみ笑う あのさあたぶん 好きだったよ