農業と醸造が1つになる!遠野産大麦を使用したビールをリリースします
こんにちは。"醸造する料理人"有賀です。
遠野に来て丸2年が経とうとしています。これまで様々なビールを仕込んできましたが、人生初のオリジナルビールを醸造しました。今回はそのビールができるまでの過程や思いについてまとめてみたいと思います。
1. ビールができた背景
この地「遠野」で料理をするにあたって、今でもいろんな作物の生産者や漁師さんのもとへ足を運んでいます。その中で出会ったのが、「遠×農」という若手農家チームでした。
24〜29歳と若手農家でありながら、それぞれが目を見張る農業や活動を行っていました。お互いの作物から自身の作物への学びに変換したり、遠野で農業をすることや農業自体の楽しさを後世に繋いでいくというのが彼らのテーマであります。若手にして次世代に繋ぐことをテーマにしている彼らに感銘を受けました。世代が変わっても継承されていき、その年の遠野が感じられるようなビールをつくりたいと思うようになりました。
今では彼らと共にビール用の大麦を栽培しています。今回はその大麦を一部使用し、ビールを醸造しました。名前は「らぴエール」。
「遠野の農業」と「遠×農」と「このビール」が多くの人に愛され、後世に脈々と引き継がれていってほしいという願いを込めました。毎年原料と農家と醸造家によって変化と進化を繰り返していきながらも、芯となるものは変わらない飲み物となっていくことを願っています。
2.味わいについて
らぴエールは、ライトに飲める食前食中酒であり、遠野の麦やホップを使用した、テロワールを毎年感じられ、後世に続くビールを目指し、醸造しました。穀物と酵母の香り、ほんのり酸味、麦の味、ホップの苦味。飲み口からフィニッシュまで様々な要素を楽しめると思います。
とはいえそれぞれのパーツが四方八方に散っているイメージなので、来季は全パーツが一つの味に向かっていくような統一性を目指して各部分の押し引き調整をしたいと思います。またアルコールが期待していたものより少し高くなってしまったので、あわせて改善できたらと思っています。
3.楽しみ方
料理とペアリングすることを考慮しているので、ぜひTAPROOMで飲食を楽しんで頂けたらと思います。ビールに甘さと酸と酵母感を持たせるつもりで仕上げたので、そこにペアリングしていく料理を例に上げておきます。オススメは根もの(蕪、ゴボウ等)やスパイスを使うことです。
あくまで一例ですので、自分の感性で自由にペアリングを楽しんで頂けたら幸いです。
4.売上の一部は「遠×農」の活動費へ
らぴエールは「遠×農」の大麦を一部使用したビールです。今は精麦施設がなく、生産量が安定しないため、仕込みに使われる割合は全体の数%に過ぎません。ですがこれから毎年アップデートされることで使用量を増やし、より遠野のテロワールを表すビールになることを目指しています。
また彼らの活動を継続的にサポートすべく、らぴエールの売上の一部を「遠×農」へ寄付することにしました。缶1本および樽生Mサイズ1杯につき10円が、彼らの活動費へ充てられます。らぴエールをきっかけに「遠×農」の活動をより多くの人に知ってもらい、応援してくれる方が増えることを願っています。
5.缶での楽しみ方
らぴエールをより美味しく、楽しく味わうために。
6.おわりに
このビールに携わった全ての方々と原材料に感謝します。1人では成しえなかったビールが人生初のオリジナルビールとなったことは、まさに自身の人生を表しているかのようでした。発酵プロセスでは、BREW NOTE 遠野の村上さんにも大変お世話になりました。ありがとうございました。らぴエールを飲む全ての方がより良い時間を過ごせますように。BEER TOGETHER!