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【妻籠め】 佐藤洋二郎

こんにちは。
トノの本棚にようこそお越しくださいました。

本日ご紹介するのは、
佐藤洋二郎 著 【妻籠め】ツマゴメです。
難しいタイトルですが、この妻籠めの意味を調べたところ、
「相愛の男女がともに過ごすこと」と日本国語大辞典にありました。

読み終えてからタイトルの意味を調べたのですが、
この意味を知っていたらまた違った読みをしていたと思います。

一言で言い現わすと、
大学教授である主人公と学生が旅をする物語です。

教授と学生の旅なんて、ちょっとイケないことのように感じますよね。
物語の中でも主人公も旅に出ることを躊躇しますが、
山陰地方へ行くことになります。

ただ、単に教授と学生のイケない関係を描いているわけではなく、

この物語のベースには

・男の友情
・友人の自殺
・寡婦で育てられた主人公の痛み
・山陰地方の自然の美しさ
・宍道湖の夕焼け

が描かれ、
人の持つ痛みと、山陰の自然、
相反するものが上手く調和し、
全体がもの凄く美しく仕上がっているのです。

また、所々に含まれている登場人物たちの言葉が印象的で、
何度も読み返したくなります。


眠れない夜や悩み事のあるとき、
切ない夜、人生をやり直したいと思った時、
そういう時にページをめくりたくなる小説です。


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