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4.寝る直前にギャンギャンうるせー女

マサオは小学生としては寝る時間が遅くて、それは僕にも責任があるんだけど、あの日の晩、ちょうど23時位にその声は聞こえだした。声の主は鬼子である。

「マサ、音読しなさい!」

え!?こんな時間に!?僕は仰天した。だって鬼子は今の今までテレビ観ながらフラフープをグルグルと回した後、今度は風呂に1時間も入って誰も洗面所を使えない状態にしていたくせに、てかさ、正確には1時間シャワーなんだけどさ。湯船につかるわけではなく、ずっとシャワーを流しっぱなしにしながら入ってる。1時間も一体何をしているんだろう?と、鬼子には全くもって興味はないけれども、純粋に『湯船に浸かる以外に1時間も水を流しっぱなしにして、する事なんてあるのかい?』と思ってしまう。

ま、そんな事はどうでもいいんだけど、そうそう、そうやってマサオの宿題なんかそっちのけで自分の時間を最大限に楽しんでおきながら、寝る直前になって今すぐ音読しろとか言い出すんですよ。おかしくないですか?あいつの頭。

それには流石にマサオも抵抗して、言う事を聞かない戦法に出ていたんだけど、もうね、ずーーーーっと言い続けるんですよ。それこそギャンギャンと。ああゆう時の女の声って、α波ゼロの不快指数100%…あ、全ての女性がそうではないですよね。鬼子のギャンギャン声が、です。

『マサ!音読しなさい』
『早くやりなさい!』
『寝れなくなるんだから早くやりなさい!!』

いやーーー!寝る直前にこんなキンキン声でギャンギャンやられたら、心臓がバクバクしちゃって心安らかに眠れにつけないでしょ。そう思った僕は、たまらなくなって助け舟を出した。「明日の朝やればいいよ」と。案の定、矛先がこちらに変わりまして、集中砲火を浴びている僕の姿を想像してみてください。『うわ、マジでめんどくせー』『早く別れてマサオと二人で暮らしたい』

気持ちは日に日に大きくなっていったのです。

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