2018年観劇懺悔
久しぶりに観劇懺悔など。
11本と、番外編で劇団ぺんぺん。合計12本。
少なすぎるけれど、濃密なチョイスで内容としては満足。
●1月「黒蜥蜴」
江戸川乱歩原作、三島由紀夫の脚本で、デヴィッド・ルヴォー演出と濃くしかならないストプレ。中谷美紀の退廃感が最高。井上芳雄くん観に行ったんですが。久しぶりに戯曲取り寄せて読みました。
●2月「ブロードウェイと銃弾」
今をときめく福田雄一演出。あ、WOWOWのグリブラを日生劇場でやっちゃってる!みたいな軽さ(いや、「今日から俺は」とか「勇者ヨシヒコ」をやっちゃってる、のほうがわかりやすいか)。テレビで見ても楽しいんじゃね?みたいな感じでした。城田優くん、脚本つくれるチンピラに爆笑。
●4月
「メリー・ポピンズ 」濱めぐメリー&大貫バート
「メリー・ポピンズ 」平原綾香メリー&かっきーバート
待ちに待った日本公演。
どうしてもジュリーアンドリュースのイメージで固まってるメリーポピンズを、濱めぐと平原綾香がどうしてくれるのかが気になって仕方がなかったわけですが。濱めぐはカチッとしたサバサバしたメリー(ご本人のイメージそのまま)、平原綾香はほんわかしながらも最後は目の離せない迫力のメリー(ジュピター歌う彼女のイメージそのまま)で、なるほどなぁとなんだか納得。踊れるバートと、魅せるバートの違いもいろいろ考えさせられました。
●5月 「ノートルダムの鐘」@劇団四季
遠いから無理ーと思っていたKAATにとうとう上陸!?ノートルダムの素晴らしさの熱弁を聞いて、折れました。
ほんとに観に行ってよかった。ディズニー作品だけど、無理にハッピーエンドにする他作とは一線を画する。あれはほんとはどういう意味なんだろう?と頭の中をぐるぐる。もう一度観て考えたい。芝フロローにノックアウト。
KAAT、横浜中華街の真ん前にて、観劇後の楽しみもあるからやっぱりまた行っていいかな、なんて思いました。あ。劇場もキレイで観やすくて、よかった。
●6月「モーツァルト」
古川アマデがいいらしい、と聞いて、必死でチケットを入手。以前の演出以上に天才と狂気紙一重感が出ているとともに、周りの大人の狡猾さが半端なくて、苦しくなる。2002年初演初日にみたちょっとしたホンワカ感からの、時代にあった!?演出の変化に遠い目をしてしまう。
●7月「エビータ」来日公演
ハロルドプリンス演出バージョンでの来日!しかもチェ役がラミン・カリムルーって、これは観とかなきゃ!ってことで、何度かのチケットとっては手放し、を経て観劇。エビータの上昇志向としたたかさ、前に向かうパワーに、観劇後にぐったり(笑)劇団四季のでは観たことがあったけど、お利口さんな演出で隠されていた本音みたいなのが露わな演出で、これだよこれなんてことも思ったのでした。
●8月「ハミルトン」@ワシントンD.C.
ブロードウェイじゃいまだになかなか入手できないハミルトン、JFKセンターにちょうどブロードウェイからやってきているということで、チケット調達いただく。
曲だけは聞き込んでいたので、ラップと舞台全体の熱気に触れただけで、もうソワソワ。
日本人には馴染みのないアメリカ建国話だけれど、ワシントンの地で観られたことにも興奮。
解説本が日本語で出ているので、それを読みつつ音楽聴いてをもう一回したい。
●9月「コーラスライン」
コーラスライン、実は映画でしか観たことなかったんだよな、なんて思い出して、急遽行ってくる。
最近では取り扱うことが流行りともいえるLGBTや毒親問題を1970年代にコーラスラインに立つ端役の人たちから聞き取り、作品にしたということに、まず考えさせられる。
このいろんな背景の人たちをどうまとめて舞台にあげるのか、チームビルディング的な観点でも面白く。
深いな。名作と言われている意味を、お恥ずかしながら今さら実感。
●10月「MA」
こちらも演出変えての再演。
遠藤周作の原作にもあった役を大胆になくして再構成された演出に。音楽も別物のよう。マリーアントワネットと庶民のマルグリットアルノーの対比もより際立ち、構造的にいろんなリンクがなされていて、それを頭で解きながらの観劇。終演後のぐったり感半端なし、でも興奮冷めやらず、オケ指揮の塩田さんに挨拶に走ってしまいました😆
観劇後、ミュージカル学会のメンバーや出演者と話ができたのもあり、この日はスペシャルな1日でした。
●12月 劇団ぺんぺん「花吹雪狸御殿満月鏡山旧錦絵」新宿二丁目のゲイバーのマスターとお客さんたちから成る劇団ぺんぺん。生物学的男性しか出てないけれど、皆さん女優、というなかなかない劇団ですが、年一回の30回公演をもっておしまいとのとで、サヨナラ公演でした。ご縁あって15年くらい断続的に観られたのですが、最後となると感慨深くてラストシーンや口上にて思わず涙。年々女優さんたちが上手くなっていくのも楽しみでした。
これがないと年越せない、くらいな感じで毎年過ごしてましたが、来年はどうやって年越そうかな。
何はともあれ、心からありがとうございました。
来年もまた良い作品に出会えますように。
願わくば、もうちょっと劇場に行きたいな…。
あとは、ナショナルライブシアターの「エンジェルスインアメリカ」「フォーリーズ」の上映、今度こそ逃したくない!