つぶやく。

えー、今日はいつもとは打って変わってちょっとデリケートな問題のお話をいたします。モテないオタクが思春期から引きずっている問題を、他愛もない雑談の中で友達が解決してくれた。そんなお話です。

まずは私の身の上から話すといたしますが、中学一年生で初めてスマホを握り、それからアニメにのめり込み気づけば中高という貴重な六年間を共学に通っていながら野郎とだけで過ごす日々に費やしてしまい、彼女の一人もできないままに今こうしてオタク童貞ライフをエンジョイしているところであります。私にとって女性はまず、二次元か三次元に大別されたのちに可愛いとか優しいとかという判断を相手を認識する中で下していたのです。二次元であっても私にとっては十分立派に一人の女性で、三次元の女性も同じ女性というジャンルに分類されることから、あまねくすべての女性に根拠のない敬意と畏怖を向けて生活をしていました。オタクにとって二次元嫁というのはまさに神のような存在なのです。話しかけることはおろか、自分の欲求に晒すなどおよそ考えも及びません。時々、テレビなどで目にする男性に対する女性の性的な暴力に関する記事などは到底理解できるものでないのは語るまでもないと思います。そしてそれと同時に、須らく全ての女性を常に女性という分類でしか見ることができない自分の浅ましさのようなものにも、あきれ果てていました。自分の中では常にレディーファーストが徹底され、性格の悪い女性が現れたなら、私は目をそらしことが静まるのをただ待ちました。古事記に出てくる人民が天界に住まう存在へ向ける敬意と畏怖が私のそれとよく似ています。
そして、ある程度学年が上がってくるとそういったエロいことにも興味がわいてきますが、とりわけ風俗やAV女優といった存在は理解できない場外の存在で、天上の人が黄泉に身を晒すような行動に世界の不条理を思ったものです。ただ、私はこの考え方の片隅にある違和感にも、自覚的でした。それはそれで女性に対する差別なのではないかという考えが、喉に残る魚の骨のように思い出したときにふと根幹を揺さぶるのでありました。

「俺たち、童貞だけどさ。女性が男性に性犯罪というのがいまいちピンとこない。どいういうことだかわかるかい?」

「そりゃ、あれだよ。男アイドルの追っかけやってるおばちゃんを想像してみ。そんでもってそんな人たちに・・・」

身の毛もよだつ思いでありました。一瞬の想像ですべてを悟ったのであります。確かにこれは不快で気持ち悪い。この瞬間に僕の中では二次元と三次元という区別ではなく、きちんとした線引きがなされ女性も良し悪しがあるものだと正しく認識することができました。それまで気づかなかったのか、無意識化で気づいていないふりをしていたのか。勝手に神のごとき存在へと押し上げていた存在の隣に、ようやく立ち上がることが叶ったのであります。

僕の中では少なくとも革新的な出来事で、人生観の軌道修正でした。

持つべきものは友です。

それでは今日のつぶやきはこの辺りで。

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